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其の時、白崎①
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*
「月島なら購買に行ったっきり帰ってこないですよー」
昼休みに月島君のクラスを訪ねたけれど、彼は居なかった。
今度こそ、居ると思ったのに。
「結構昼休み来ますよね?月島の知り合いですか?」
ザ・運動部という爽やかな見た目の奴にそう聞かれる。
怪しんで…いるのか?
「知り合い、というか、そうだな…委員会が一緒なんだよ、彼とは」
「そっすか」
ホッと表情が和らぐのが分かった。
やはり、怪しまれていた。
しかしコイツ、妙に疑り深いな。
「もうすぐ帰ってくると思いますけど……ここで待ってますか?」
「いや、いいよ。そんなに急を要する話じゃないから。ありがとう。」
「いえ」
…さて、探しに行くとするか。
購買って言ってたから……会えるとすればこっちの方か?
購買のある方へ進んでいくと、
空き教室の扉が開いて人が出てくるのが見えた。
「あ」
ビンゴ。月島君だ。
声を掛けようと手を挙げる。
「ッテメー、本当にいい加減にしろっ……!」
声を荒らげて姿の見えない何かにそう叫ぶ彼。
「ちょ、月島君?!」
「……し……白崎先輩」
声を掛けると、目を見開いて驚かれる。
そんなに驚かなくても。
「どうしたの?喧嘩?」
「いや、違います、本当……」
何処と無く顔が赤い。息も荒い。
ふと、彼の首元に散る赤い痕が視界の隅に入った。
……は?
心臓がバクンと跳ねる。
まさか、いや……まさか、な。
「……ココ、どうしたの?」
ぎこちない笑みを浮かべて、彼にそう尋ねた。
*
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