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焦燥②
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家でぼーっと見ていたテレビドラマで
『好きでもないのにこんな事をするのは可笑しい』というセリフがあった。
登場人物の男女二人は、お互い失恋した身なのか、その傷ついた心を埋めるように体を重ねていた。
しかし、最後のワンシーンで女性がある言葉を放ったのだ。
『そう、気の迷いよ』
『今は気持ちが動揺しているだけ、愛なんて無い』
まぁドラマであり創作の物語である故、
上手いようにとんとん拍子で話は進み、きっとこの二人は円満に結ばれるだろう。
だが現実はどうだ。
ふとある疑問が頭に浮かぶ。
「ミヤ先生って…俺のこと好きなのか?」
─可愛いとかは、言われるけど(但し男としては本望ではない)
あいつの気持ち、聞いたことないし…
もしかして、からかっているだけなのか?
だとしたら俺、死ぬほど恥ずかしいじゃんか……
期待と不安の波が交互に押し寄せ、クッションに顔を埋める。
─じゃあ、俺は。
俺はどうだ。
彼のことを、どう思っている?
そう思った瞬間、彼の色々な表情がカメラがシャッターを切っていく様に思い浮かんだ。
笑っている顔、少しむっとした顔、…感じている顔、
思い浮かぶたびに胸が音を立てて高鳴った。
…あ、どうしよう。
好きかもしれない。ミヤ先生のこと。
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