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熅れ⑥
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周りに人がいなくなったことを確認してから、
ミヤ先生は腰の抜けた俺を抱えてどこかへ向かっていく。
「ちょ、どこ行くんだよ」
「俺の家」
「はぁ?!」
昇降口を出て駐車場に停められた黒いシンプルな車の傍まで来て、キーケースを取り出した。これが彼の車なのだろう。
車のロックを外して、助手席にそっと座らされる。
まるで女性にするような優しい扱いを受けて、酷く恥ずかしくなった。
「別に俺は、月島とならどこでも良いんだけど…………『初めて』は大事にしなくちゃいけないじゃん?」
エンジンを掛けながら、照れる様子も見せずさらりとそう言ってのける姿に、呆れを通り越して感心してしまう。
「別に俺は……何でもいい」
「え?いいの?今すぐにでも押し倒したい気分なんだけど…」
肩を軽く小突いてやると、彼はいたずらっぽく微笑んでから車のアクセルを踏んだ。
爽やかなジャズサウンドが車内に流れる。
道中、気を紛らわせるためにあえて他愛もない話ばかりしていた。
好きな食べ物だとか、よく行くスポットだとか。
彼が途中で耐えられず、信号待ちをしているときにキスをしてきたが、それを思い切り通行人に目撃されたため、それ以後禁止にした。
海沿いを走り、暗い水平線を眺めていると、急激な眠気に襲われた。
それもそのはず、さっき俺は2回ほど達している。
彼が何やら楽し気に話しているが、それさえも子守唄のような心地良さを感じてしまい、落ちてくる瞼の重みに耐えられず、眠りについた。
頬から離れる熱を感じる。
目を開くと彼が愛おしそうに俺を見ていた。
「着いたよ」と声を掛けられ車から降りると、手を引かれてマンションの中へと進んでいった。
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