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灼熱②
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「あっちー……」
ジリジリと熱い日差しが肌を刺す。
先程まで空調の効いた快適な車内にいた為か、その差が余計に堪えてしまう。
「みんなお疲れー!荷物持ってコテージ行くぞー」
中型バスのトランクルームから、荷物が次々と吐き出される。
眠いのとこの暑さで動きたくない俺は、どう見たって1週間以上の旅行に持って行くようなスーツケースの上に跨った。
勿論これは俺のものではない。沢村のだ。
「おい…月島降りろ」
「コテージまで運んで~頼むよ沢村ぁ」
「ふっざけんな!たたでさえ重いのに!」
スーツケースごと蹴り飛ばされ、鉄板の如く熱いアスファルトに身体を放り出される。思わず叫んだ。
諦めず再びスーツケースに跨ろうとすると、寝起きで機嫌の悪いミヤ先生に一瞥され、静寂が戻った。
クラスメイトの多田が企画した
『1-2コテージ旅行』は、合宿や家族旅行などの予定が入っている生徒以外、ほとんどが参加した。
湖の畔にあるコテージは、美しい色合いのウェスタン・レッドシーダーを使ったログコテージで、緑豊かで大規模な土地に5軒程度連立している。
「皆さんようこそ、暑い中お疲れ様!」
多田の親戚の叔母さんが笑顔で出迎えてくれた。
ひとまず荷物を置いて休んでからまた集まろうという話になり、鍵を受け取った。
適当に振り分けたグループで、俺は沢村と同じサッカー部の石川と南、ムードメーカーな吉岡(通称よっちゃん)、バスケ部の黒井と、
それから、
心底嫌そうな顔をしているミヤ先生と同じグループになった。
「俺たちと一緒に来たからには同じグループになることもあるだろー!仕方ねーよ宮内先生!」
よっちゃんは愉快そうにミヤ先生をバシバシと叩いた。
それを無視して彼はコーヒーを啜り、カントリー調の木肘のソファにどっかりと座った。
「俺はここで寝てるから、お前ら行ってこいよ」
顎で指した先には、水着姿ではしゃぐクラスメイト。
足を投げ出して完全に寝るモードに入っているミヤ先生を横目に、少し残念な気持ちになったのはここだけの秘密だ。
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