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灼熱⑥
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彼の言っていた言葉は本当であった。
小高い丘の上は視界が開けていて、満天の星空がパノラマに広がっていた。
都会のビル群に慣れているという訳では無い、どちらかと言うと長閑な土地に住んでいるとは思っていたけれど。
星を全て見きれないと思ったのは初めてだ。
「すげー……」
「な?言ったろ」
暫く見惚れていると、横でパチパチと何かが弾ける音がする。
「宵はやんねーの?」
「結局ライターで火つけてるし……まぁいいや」
渋々線香花火に火を付けると、先に火球を落とした彼が煙草を咥え、隣に座った。
「線香花火の燃え方に名前がついているって知ってるか?」
「んー、そんなようなこと聞いたことはあるけど詳しくは知らない」
「初めは大きく膨らむ『牡丹』、次に勢いよく飛び散る『松葉』、丸みを帯びて垂れる『柳』、最後に細い菊の花のように散る『散り菊』……みたいな感じで例えられている」
「へえ、物知り。流石は国語教師だ」
菊も散り、火球だけになった線香花火を眺める。
彼が煙を吐くと、火薬の臭いと混ざってむせ返ってしまう。
ごめんごめんと苦笑しながら、俺の目に浮かぶ涙を掬った。
瞬間、リップ音を立てて唇を重ねられ、再び咳が出そうになり反射的に口を開いた。
と、同時に舌が侵入してきて、敏感な内側を舌先でなぞられる。
むせようにも唇で塞がれていて、喉から漏れるくぐもった声が一層苦しさを増していった。
胸をどんどんと叩き拒否するが、腰をがっちりホールドされ、動けない。
彼の顔がぱっと離れた時、唾液の糸が引き、強く咳き込んだ。
「がはっ……げほっ……っざけんな!」
睨むと、まだ吸える部分がかなり残っている煙草を指先から落として、彼は口角を上げた。
「宵のそういう顔…すげーそそる」
しまった、彼のスイッチが入る音がした、と気づいた時はもう遅い。
いつの間にか立たされ、汗ばんだ肌に吸い付きながらシャツを器用に脱がされていた。
後ずさりをすると、硬い木の幹に背中をぶつけた。
「待って……外では嫌」
「じゃ、どこならいいの?」
そう聞かれ真面目に考えてしまう自分が腹立たしい。
制服のようにベルトを付けていない私服の今、簡単に下着ごとジーンズを下ろされてしまった。
身をよじって抵抗すると、形の良い彼の指が口内に割り込んできた。
舐めて、と言われ素直に舐める奴はいないと思うが、意に反して唾液は溢れてくる。
「む、んんっ……」
べとついた指先を後孔にあてがうと、くるりと円を描いて馴染ませるように滑らせた。
少しずつ中に入ってくるそれは、異物感しか生まれない。
「力抜いて、宵」
首をもたげていた性器に触れられ、上ずった声が出る。
身体と言うのは正直だ。
いくら口でイヤイヤ言っても、特に快感に対しては嘘をつけない。
それを彼は分かっているかのように、淫猥な音を立てながら擦りあげる。
「もう2本入った」
「……いちいちそういう事…言うな…っ」
下腹部にじわじわと熱が集まり、再び射精感が近付いてきた時に、後ろを向かされて腰を上に持ち上げられる。
必然と尻を高く突き出す格好になって、身体が羞恥に染まる。
「ちょっときついかもしれないけど……挿れるよ」
息を呑むと同時に、彼の性器が肉壁を押し拡げながらゆっくりと入ってくる。
その圧迫感に、思わず顔を顰める。
緩やかに動き出した律動に、切ない吐息が漏れた。
「ぅっ、あっ、ん…っ」
「やっぱりきっつ……」
へらりと笑ったのが聞こえると、腰を擽るように撫でられる。
ビクリと大袈裟に下半身が揺れた。
腰を打ち付ける音がやけに響いて、聴覚的に卑猥に感じてしまう。
「顔見せて、宵」
そう言われ顔だけ後ろを振り返ると、脇を抱えられ前を向かされる。
そこから最奥を一気に突かれ、悲鳴にも近い嬌声が上がった。仰け反るような快感が身体全体を走った。
「ああぁっ……!んっ、はぁ、」
「…やばい、めっちゃ可愛い……」
彼の首の後ろに手を回して、涙をぼろぼろ流しながら喘ぐと頬に伝った筋を舐めて、優しくキスをされる。
─気持ち良すぎて苦しい、意識がどこかに飛んでしまいそうで怖い、
─まるで自分が自分でない、みたいな。
「………っ、こ、怖い……身体、おかしいっ……」
「俺の前では壊れていいよ」
彼の熱い欲の塊に容赦なく突き上げられ、思考回路は完全にストップしてしまったようだ。
恥じらいはどこへいってしまったのか、猫の発情期のように乱れた声ばかり上げてしまう。
幾度となく消えては生まれる甘美な感覚に、すっかり酔ってしまった。
「あっ、はぁっ、んんっ!」
「綺麗だよ、宵……」
クッ、と唇を噛み締めて声を漏らした彼は、ドクドクと俺の中で強く脈打ち、精を吐いて果てた。
ほぼ同時に、限界だった俺も彼の薄く割れた腹筋に白濁を吐き出した。
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