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作られた邂逅②
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陽炎が揺れる猛暑日。
気休めにもならないぬるい風を受け、俺は溜め息をつくしかなかった。
何故そんなに気落ちしているのか。
まぁ、この暑さのせいもあるが、俺が文化祭実行委員である為に、学校に招集されているのが一番の理由だ。
「9月の初めに文化祭があるから、準備は夏休み中にしておけよー」
そうミヤ先生に言われ、渋々ここに来ている、というわけだ。
教室に向かうと、事前に連絡していたクラスメイトが数人来ていた。
「おー、月島」
「みんな来てくれてありがとうなー」
「本当だよ、こんなクソ暑い中」
「俺だってやりたくねーよ」
小言を言いながら鞄から文化祭準備の用紙を取り出し、黒板に貼り付けた。
「えーっと、今から看板作成と室内装飾グループ、それから買い出しに行くグループに分かれて作業してもらうんだけど、グループは適当に振り分けたからこの紙見て確認しておいてー」
「うぃーす」
買い出しグループになったクラスメイトが悲鳴をあげていたが、特別にクラス予算からアイスを買ってきても良いことにすると、嬉々として受け入れてくれた。実に単純である。
「てかさ、思ったんだけど」
部活の合間に顔を出してくれた沢村始めサッカー部のメンバーが思い出したようにこちらを向いた。
「衣装ってどうすんの?俺らやるのコスプレ喫茶だよな」
「買ってたら予算が足りなくなるから、借りることにした」
「は?誰に?」
「………………俺の姉ちゃんに」
教室内にどよめきが起こる。
それもそのはずだ。まず俺に姉がいるということ、
それから俺の発言だけ聞けば、姉ちゃんがコスプレが趣味なのかとつい思ってしまうが、そうではない。
遡ること数時間。
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