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火照り④
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一歩、一歩と踏みしめて近づいてくる男は、
フードを目深に被っていて顔があまり見えなかった。
「あぁ、駄目だよそんな怖い顔しちゃ……」
「…うるせぇ、ここから出せ!」
キッと睨み上げると、男は口角を歪ませて恍惚にも近いため息を漏らした。
「そんな顔も素敵だけどね」
逃げ惑うも、触れる地面の冷たさや窓のない囲まれたこの空間に、絶望にも近い感情が生まれる。
後頭部を壁に打ち付け、思わず痛みに目を瞑った。
「……君、男に抱かれたことがあるだろう」
ゾッとするような手つきで頬の輪郭を撫でながら、男はそう言った。
「気持ち悪い、触んな……!」
「顔も、身体も綺麗な事が前提にあるが、それを飲み込むような色香が君には漂っている…
この美しさは、抱かれたことのある人にしか出せないものなんだ、自覚していないだろう?」
求めもしない詭弁をつらつらと述べる奴は、心の底から震え上がるくらいに気味が悪かった。
顎を指先で持ち上げられるが、その手を払い除ける。
「酷くしたくないのに……仕方ない。抵抗するなら、こちらも優しくはしてられない」
突き飛ばそうと伸ばした手が、いとも容易くまとめ上げられ、先程まで奴の腰に留まっていたベルトできつく縛られ、手すりに固定されてしまった。
「くっ、外せ……!ふざけんな!何でこんな事っ…」
「何でかって?今日、君を一目見た時に美しいと思ったから、閉じ込めて触れてみたい…ただそれだけの事だよ」
ただそれだけの事?
こいつの物事の大小の観点は狂っているのか。
ふつふつと怒りが湧き、脚で蹴り上げるが、手が拘束されているために下半身が滑って上手くいかない。
男は愉悦とも取れるように喉を鳴らした後、俺の上に跨ってきた。
「さて、と……」
素肌の上にパーカーを着ただけの自身の今の状態は、実に無防備であった。
電話をしてすぐに沢村たちの所へ戻る予定だったから、服は今、床に散らばった荷物の中にある。
ゆっくりとチャックが下ろされ、肌が見えた瞬間に奴の生唾を飲み込む音が聞こえた。
「凄い……綺麗だ……」
触るね、とわざとらしく耳元で囁き、不愉快な手つきで腹筋や脇腹を撫でられる。
唇を噛み締めて羞恥に忍んでいると、敏感な2つの突起を掌が掠め、切なげな声が漏れてしまう。
「掠っただけで声が出ちゃうなんて、相当感じやすいんだね……いやらしいなぁ」
くりくりと執拗に指の腹で刺激され、意と反して身体は反応してしまい、背中が弓なりに反る。
嗚咽と同時に頬を大粒の涙が伝った。
「っぐ……ぅっ…ひっ……」
「あぁ、泣いちゃうほど嫌なのか……可愛いね」
顎先から滴る涙を舌で掬われ、身震いする。
気持ち悪い。痛い。苦しい。
「助け…て」
「誰も来ないよ、せっかくの二人っきりだ……楽しもう」
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