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「…あれは驚いて……」
「何に?」
ごにょごにょと言葉を濁す俺に容赦なく海は聞いてくる。
「いやー……男子校だったんだなって…」
「は?」
海はポカンとしている。
萩埜も意味が分からないという表情をしている。
「いや、だからさ…俺、今の今まで男子校だって知らなかったんだよ」
「お前、全寮制ってこともこの間まで知らなかったし、何でこの学校にしたんだよ…」
「…そりゃあ、海と離れたくなかったから」
口を尖らせてぼそりと呟くと海はいつもの苦笑いで、萩埜は手で口元を覆い俺から顔を逸らした。顔が少し赤い気がする。
「萩埜?どうかした?」
「い、いや?何でもねぇよ。つか俺のことは朔弥でいいから」
「…朔弥?」
名前を呼んで視線を朔弥にやる。朔弥は俺より10センチは高いから、必然と見上げる形になる。悔しい。
するとまた朔弥は顔を逸らした。
何なんだよ!
「蒼衣、もうやめてやれよ」
「なにが?」
海の言葉に首を傾げる。
「あー…まぁ、そのうち分かるんじゃねぇの?」
「ん?」
海の言葉の意味が分からない。
どういう意味?
そのうち分かるって…?
「ほら、もう教室着いたぞ」
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