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事の始まりは、帰り際の出来事だった。
高校入学から早3週間が経ち、俺は高校からの友達もできたが、幼稚園からずっと一緒の幼馴染で同じクラス、席も前後の幼馴染である成沢湊とよく一緒にいる。家も近いため、登下校も一緒だ。
今日もいつも通り2人で教室を出て、すれ違う友達に軽い挨拶をしながら、昇降口に行く。そして、自分の靴箱から靴を取り出す。
が、横にいる湊の様子がおかしい。
「どうした、湊?何固まってんだ」
湊は自分の靴箱を開けたまま固まっている。
「おーい、湊、みーなーとー」
俺はそう言いながら靴箱を覗き込む。
「…あーー、またか」
湊の靴箱には、二つ折りの紙に可愛らしい文字で『湊くんへ』と書かれた紙が入っていた。
「ほら、湊、読んでやれよ」
俺はその紙を取り出して、固まっている湊の手を取り紙を握らせる。ようやく湊は動き出して、渋々といった様子で紙を開く。
そこには同じく可愛らしい文字で『好きです、付き合ってください』と書かれていた。名前を見るとどうやら他クラスの女子のようだ。
「…なんで、そんなに知りもしないやつと簡単に付き合えると思うんだ、こいつらは」
湊は理解できないというような顔で紙を見つめている。
こういった出来事は高校に入ってからすでに6回ほど起こっている。
「そんな経ってないし、喋った覚えもないっつーの」
「まあ、そんなこと言ってやんなよ」
俺は笑いながら湊を宥めるように言う。
「てか、そんなに嫌なら特定の相手作っちまえばいいだろ」
湊の目が少し見開かれた気がした。
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