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目が覚めた頃には0時を回っていた。
「やべ…もうこんな時間」
のそのそと起き上がると俺はリビングに向かう。
他の家族は皆寝てしまったようで、夕飯のおかずとおにぎりがラップに包まれて置いてあった。
おにぎりを食べながら、おかずを冷蔵庫にしまい、携帯を見る。
湊から、ごめん、と一言LINEが来ていた。
「もう寝てるかな…」
そう呟きながら俺は、こちらこそごめん、とLINEを送った。
珍しくものすごい勢いで既読がついた。
そして、直接話せないか?と送られてきた。
「まじか…」
ちょっと考えたあと、俺もこのままじゃ嫌だからということで、外で待ってる、とだけ送った。
外に出ると、隣の家の前に既に湊がいた。
上は黒のパーカーに下はグレーのスウェット、それでもイケメンはイケメンだなぁと呑気に思った。
外灯に照らされた湊は少し心配そうな顔になりながら俺の方に駆け寄ってきた。
「朔…あの、ごめん」
そう言って俺に頭を下げてくる。
「いや、別に大丈夫だって、俺もちょっとびっくりしただけだし」
「だよな、やっぱ、困るよな…」
そう言って湊は苦笑する。
少し心にズキっと痛みが走った気がした。
「いや、困るって言うか…その…お前は、幼馴染で親友で…そういう対象で見たことないっていうか…そもそも俺、男だし…」
しどろもどろになりながら言う俺の目をしっかり見ながら、また真剣な眼差しで湊は聞いていてくれた。
「いや、好きって言ってくれるのはその、嬉しい…けど…」
「けど?」
「…俺、男同士っていうのよくわかんない…から、あ、あと」
「ん?」
湊はこてんと首を傾ける。俺より身長あるくせに可愛い仕草するなぁなんてことを考えながら俺は言う。
「その、俺に好きって言った時にお前、ずっと前からって言っただろ…?」
「うん」
「いつから、その、俺のこと…」
今更恥ずかしくなってきて俺は湊から目を逸らす。
「うーん…自覚したのは小4」
「早っ」
「はは、だよな。きっかけは同じクラスの子に告白されたことだった」
そうだよなぁ、こいつ昔からモテてたもんなぁ。
そう思いながら話を聞く。
「まあ、その前にも何人かから告白されて、別に好きじゃないからって振って、っていうのを繰り返してたんだけど。ある女の子を振った時に、湊くんは好きな子いないのかって聞かれて、好きな子で真っ先に思いついたのが、お前だった」
こいつ今までの人生で何人振ってきたんだって思ったと同時に、まじか、と思った。
「まじか」
口にも出ていた。
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