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うわぁ、俺めっちゃ笑顔のつもりだったんだけど、そんなふざけた顔でもしてた…???
とりあえず、その子の方を見ないように俺は、周りのクラスの奴が釘付けになっている告白ショーに目を向けた。
「どぉして??」
そのタイミングで二つ結びの子が変わらず甘ったれた声で湊に聞く。大方、湊はいつも通り断ったのだろう。
いや、俺的には断ってくれないと立場が、なんかあれなんだけど。
「どうしても何も、よく知らないやつと付き合いたいと思わないだろ」
「じゃあ、これから知っていこぉ?」
冷めた目を向けながら言った湊に、二つ結びの子は抱きつきながら言う。上目遣いで。
そして、めっちゃ胸当たってる。ていうか当ててるなあれは。
周りからはおぉっとかうわぁ…とか色々聞こえてくる。
恥ずかしくないのか、この子は。
自分にギュッと抱きつく女子を、めんどくさそうにぐっと引き離して湊は言い放つ。
「別に俺は君のこと知りたいと思わないし、第一俺にも好きな人がいるかもしれないって考えたりしないわけ?」
半分呆れたようなトーンで言うと、湊は俺の前の席…湊の席に鞄を置き、何事もなかったかのように座って俺の方を向いた。
すると引き離されて呆然としていた女子は目を潤ませて、俺たちの教室を飛び出していった。
引き連れられていた女子2人もその後を追っていくが、そのうちの1人、俺の席のところにいた女子は俺を一瞥するとまた顔を赤くして走っていった。
俺が何をしたって言うんだよ。
周りの奴は朝に玉砕した女子に哀れみの目であったり好奇の目を向けていたが、すぐに興味を失ったようでいつも通りの会話をし始めていた。
とりあえずは、今はこっちを向いてぼーっとしている湊を労おう。
「お疲れさん、湊。………湊?みーなーとー、おーい」
俺が声をかけるが、こいつはぼーっとしたまま動かない。
すると俺の後ろの席の似鳥が席を立って俺の席の横に膝立ちになる。
「「おーい、みーなとー」」
2人で声をかけていると、湊はやっと口を開いた。
そして俺たちにしか聞こえないくらいの声で言う。
「…見惚れてた」
「「はぁ??」」
「やっぱ、朔だわ」
「何言ってんだお前」
真顔で言ってきた湊にデコピンをしながら俺は言った。
「成沢君、ぶっちゃけ、登校中のこいつの上目遣いとさっきの上目遣いどっちが良かったですかね」
似鳥がニヤニヤしながら、リポーターのような真似をしている。
「ダントツで朔ですね」
再び真顔で言う湊。
「お前ら、歯ぁ食いしばれ」
「「すいませんっした」」
俺が言うと2人は頭を下げてきた。
その頭を軽くぺしっぺしっと叩く。
「いって」
「痛え」
「そんなに強くやってねえよ」
というようなやり取りをして、今日の授業の話やらなんやらしているとHRの予鈴がなった。
「やっべえ」
慌てて似鳥が席に着くと、それと同時くらいに担任の飯島が入ってきた。
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