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担任の飯島秋斗(いいじま あきと)は数学担当の教師で、黒髪に眼鏡の優男である。
年齢は25歳と結構若い。
授業のわかりやすさと、若さゆえの親しみやすさ、そしてその端正な顔立ちで生徒から、特に女子から人気のある先生である。
飯島は手短に連絡などを済ませ、HRが終わる。
何人かの女子がキャーキャーいいながら飯島の方に向かって行った。
「相変わらず、あっきーは女子に人気だなぁ」
似鳥が感心したような様子で言う。
あっきーというのは勝手に生徒の間でつけたあだ名で、本人の目の前で言うと、あまりいい顔をされないので生徒たちが裏で言うときに使っている飯島の愛称である。
ちなみに、俺は飯島と呼ぶ。
「生徒は湊、教師は飯島って感じだよな」
「それな??いやー、けど俺的には教師は現代文の香帆里ちゃんだなぁ…」
「お前は女子じゃねえだろ」
似鳥がへへっと笑いながら言うのに対して俺はツッコミを入れる。
「俺は断然、朔」
「聞いてねえよ」
湊が真顔で言ってくるが、間髪入れずにツッコむ。
「お前、どストレートに表現するようになったな」
似鳥が苦笑している。
けど、たしかに昨日の一件以来、湊はどことなく明るい表情をしている。あくまでなんとなくだけども。本当に微妙な変化だけども。
俺に今までの気持ちを伝えたから?俺が試しに付き合うと言ったから?
わからないけれど、少なくとも俺は湊をそういう目では見られないから、早めになんとかしなきゃとは思う。
それを伝えたとき、湊はどんな顔をするんだろうか。
その後、これまでと同じように笑い合えるのか。
「朔…おーい、朔くーん???」
「……あ、ぼーっとしてた」
考え込んで黙っていた俺に湊が呼びかけていた。
「なんだ、今度は朔が湊に見惚れてんのかぁ?お熱いなお前らwww本当にお試しかよ〜?」
似鳥は相変わらずニヤニヤしながら俺の耳元でこそっと言ってきた。
それを見ていた湊がじとっとした目で似鳥に言った。
「似鳥、近い」
「はいはい、ごめんごめんwww」
そうこうしているうちに授業の予鈴が鳴った。
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