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午前中の授業が終わり、昼休みになる。
俺たちはいつも教室で弁当を食べているのだが、湊が弁当を持って立ち上がった。
「ん?どうした?」
「他のとこ行こ」
そう言って湊は俺の腕を掴んで、席から俺を立たせた。
「あ、俺用事あるから先行ってて〜〜、てかどこいるかLINEしてちょ」
「おうよ」
似鳥にそう答えると、湊はそのまま俺の腕を引いて歩き出した。俺は慌てて自分の弁当を持った。
女子の視線が痛かった。
湊にひたすら腕を引かれてやってきたのは屋上だった。
屋上の扉を開けると、心地いい風が吹いてきた。
ここまで来てやっと港は俺の腕を離した。
うちの学校の屋上は、基本出入り自由ではあるが、そこまで綺麗というわけではない為、他の生徒はわざわざ足を運んで来ない。案の定、俺たち以外にここで昼ごはんを食べる奴はいなかった。
俺が風に吹かれながら突っ立っていると、
「朔」
と、少し離れたところから湊に声をかけられた。
湊はいつの間にか、いい感じの日陰を見つけて座っていた。
「こっち」
柔らかい笑顔を浮かべた湊は、俺にそう言って自分の隣に座るように促した。
俺は特に拒否する理由もないため、そのまま隣に行き、横に腰を下ろした。
そして2人並んで、弁当を食べ始める。
時々、無駄話を挟みながら食べていたのだが、突然湊が静かになった。
「……??湊?どうした??」
腹でも痛いのか、と俺は少し不安になって湊を見る。
すると、湊は真っ直ぐ俺の目を見て言った。
「朔、キスしたい」
「はぁ???」
俺は突然の言葉に眉間にしわを寄せる。
「だって、お試しでも恋人だろ?……ダメ?」
綺麗な切れ長の目を悲しそうに伏せる湊に流されそうになるが、俺はぐっと止まる。
「ダメだな」
「…そっか…」
目に見えて落ち込む湊。
俺…こいつのこういうとこに弱いんだよなぁ…。
「いや、だっていつ似鳥来るかもわかんねえじゃん?」
まあ、まだ何処にいるかLINE送ってないから来ないけども。
そう思いながら言うと、湊は静かに自分の携帯の画面を見せて来た。
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