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俺たちはそのまま家まで歩いていた。
他の人から見ると変な図に見えるよなぁなどと思いつつ歩いていたのだが、俺たちは昔から一緒にいるからなのかわからないけど、時折すれ違う近所のおばさま方からいつも通りお帰りなさいと言われながら、家に着いた。
「んじゃ、また明日な」
と俺は言い家に帰ろうとするが、湊は腕を離そうとしない。
「湊?俺、家に帰りたいんだけど」
俺は困ったように言った。
すると、
「朔、週末空いてる?」
と、湊が聞いてきた。
「え?あぁ、空いてるけど、どした?」
質問に少し戸惑いながら答える。
いつもなら、明日お前の家行くから。とか、明日映画見に行こ、とか突然言ってくるのに前以て言ってくるなんて珍しい。
「そっか、じゃあさ遊びに行こ?」
そう言って湊が照れ臭そうに微笑む。
胸の辺りが締め付けられるような感覚が俺を襲った。
なんだこれ。
「お、おう。あ、似鳥も誘う?」
俺がそう言うと、湊はムッとした顔になって、掴んでいる俺の腕を自分の方に引っ張って俺を引き寄せた。
「おわっ!!なんだよ!!」
俺は驚いて少し上にある湊の顔をキッと見上げる。
すると、湊は俺の耳に顔を寄せて
「俺は、お前と2人でデートしたい」
そう言って顔を少し離して俺の目を真っ直ぐ見る。
ほんのりと顔が赤く染まっている。
「そ、そういうことか。ごめん」
湊のあまりにも真っ直ぐな目に、俺は萎縮してしまう。
「……ほんと、鈍感」
ふっと笑いながら俺の頭をぽんぽんと撫でる。
「な、なんだよ」
「なんでもない、引き止めてごめんな。また明日」
そう言って微笑みながら湊は俺の腕を離す。
「う、うん、じゃあな」
俺が言うと微笑んだまま手を振って、湊は自分の家に入って行った。
それを見て、また謎の胸の締め付けられる感覚に襲われながら俺は家に入った。
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