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19(Side 湊)
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夕飯を食べ、風呂に入り俺は自室にこもる。
「はぁ…」
俺はため息をついてベッドに寝転ぶ。
脳裏に浮かぶのは、朔の困り顔、ムッとした顔、俺に向けられる朔の笑顔。
そして他の奴に向けられる、朔の笑顔。
朔が他の奴に笑いかけているのを見ると自分でも引くくらい嫉妬する。
俺だけを見て、俺だけに笑いかけて。
あんなに可愛い顔してたら、どんな奴に目をつけられるか。
女も男も魅了する可愛い朔。
実を言えば中1〜2の頃には、朔に抱きしめたいとか、キスしたいとか色々思い始めていた。
想いを伝えた今、奇跡的に仮ではあるが恋人同士にはなることができた。
そして、抱きしめるのとおでこにちゅーするのは拒否されなかった。
口にするのは大丈夫かな。
あのぷるぷると潤った小さな口にキスをしたい。
華奢で俺より小さな身体にもっと触れたい。
「俺、きもいな」
部屋で1人フッと自嘲気味に笑う。
「デート、か」
朔とデートしたいのは事実。
けれどデートってどうすればいいんだ?
何をすれば朔は喜んでくれる?何をすれば笑顔にできる?
ずっと一緒にいたから分からないわけないのに、
真剣に考えれば考えるほどどうすればいいのかわからない。
とりあえずどこに行こうか。
誘ったはいいけれど、どこに行くかなんて全然考えていなかった。
あいつ、甘いの好きだったから駅前のカフェに行くとしてその後…何しよう。いや、けど何時からかにもよるよな。
朝から甘いのはさすがにキツイだろうし…。
ここは無難に映画からのカフェでどうだろうか。
くっ…交際経験の無さがここで仇になるとは。
いや、けど朔もこの間観たい映画あるって言ってたしな、うん。映画からのカフェにしよう。
「…好きだ、朔」
一通り考えて俺はそう呟き、部屋の電気を消し目を閉じた。
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