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俺はなかなか寝付けなくて、湊の言ったことを考えていた。
「俺は、お前と2人でデートしたい、か」
完全にただ遊びに行くって考えてたけど、そうだよなぁ、仮って言っても恋人同士なんだもんな。
湊が誘ってきた時の顔を思い出す。
俺より背が高くてかっこいいあいつが、頬を赤くして言ってきた。
そして、その後に嬉しそうに微笑んだ。
それを思い出すだけで、また心臓がキュッと締め付けられるような感覚に襲われる。
「なんなんだ…これ」
俺は思わず心臓を押さえる。
鼓動が速い。
もしかして、病気…??
いや、けど、心臓系悪いなんて言われたことないしなぁ…。
むしろ超健康体のはずなんだけど…。
いや、気にしないのが1番だよな、うん。
気にしない、気にしない。
ていうか、デートって何するんだ。
湊も俺も今まで彼女が出来たことがない。
湊ほどではないが俺も告白はされたことがある。
けどそんなに好きじゃない子と付き合うのはその子に申し訳ない気がして、断ってきた。
俺に至っては初恋もまだだ。
人を好きになるっていう感覚がまだよくわかっていない。
なのに、なんで俺は湊に仮の恋人なんて言ったんだろう。
湊が可哀想だったから?
あいつには申し訳ないと思わずに済むから?
それとも…?
わからない。
けれど、本当に友情の延長線上で湊が俺を好きって言っているわけじゃないなら、俺は、どうすればいいんだ。
あいつに抱きしめられるのも、おでこにちゅーされるのも別に嫌な気はしなかった。
むしろ心地良さまで感じていた。
俺はあいつをどう思っているんだろう。
屋上でのことを思い出して、また鼓動が速くなった気がした。
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