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チケット売り場に来て俺と湊は目当ての映画のチケットを買う。
「朔、飲み物とポップコーンどうする?」
「んーーー、ポップコーンはいいかなぁ。コーラ飲む!」
「了解、朔、そこで待ってて」
「え?」
そう言うと湊は売店に向かって行った。
「ちょ、湊?!」
追いかけようとしたがすぐに他の人たちも並び始めてしまったので諦めて近くのベンチに座った。
湊の方を見ると周りの女の子とかがチラチラと湊を見ているのがよくわかる。
心なしか湊の注文を受けている女性店員の頬が赤く染まっているように見える。
やっぱイケメンだもんなぁ。
いつの間にか俺も湊に見惚れていた。
気づいたら目の前に二人ぶんのドリンクを持った湊がいた。
「何?ずっと俺のこと見てたの?」
悪戯っぽく笑いながら湊が言う。
「み、みてない!」
俺は慌てて目を逸らす。
「本当?俺嬉しかったんだけどな、あ、コーラ」
切れ長の目を優しく細めて言いながら、俺にコーラを差し出してくる。
「あ、ああ!ありがと!何円だった?」
俺は慌てて受け取り、リュックから財布を取り出そうとする。が、その手は湊に止められてしまった。
「いいって、俺の奢り。かっこつけさせて?」
そう言って湊は笑う。
「いや、申し訳ないし!俺にもかっこつけさせろよ!」
そう言って食い下がる俺に
「じゃあ、他のとこでお願い。ここは俺に、ね?」
湊はウインクをしながら俺に言う。
どこで覚えたんだそれ。
「絶対他のとこで奢るからな!」
とりあえずそういうことで妥協する。
そのタイミングで丁度俺たちの観る映画の開場を知らせる案内がかかる。
「はいはい、ほら、開場したし、行こ?」
湊はそう言うと俺の方に手を差し出してくる。
「…おう」
俺がそう言って袖を掴むと満足そうに微笑んで歩き出した。
周りの女の子たちの不思議そうな視線が俺たちに刺さった。
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