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俺は湊の袖を掴んだまま、劇場内に入り、2人並んで指定されている席に座る。
そこから、今から観る映画について色々話していた。
「ねえ、朔」
上映前の劇場内が暗くなってきたあたりで湊がひそひそと声をかけてくる。
「なに?」
俺も声を潜めて返答する。
「手、貸して」
俺は特になにも考えず手を差し出す。
湊に差し出した手は、そのまま湊の手に包まれた。
「!?」
上映されている間、この手が離されることはなかった。
ーーーーーーー
映画が終わると
「面白かったな」
と、湊がしれっと言ってくるが、ぶっちゃけ俺は繋がれた手にどきどきしてそれどころじゃなかった。
「お前さぁ…」
何か一言文句言ってやろうと思ったのに、ふと目を向けた湊のふわりとした笑顔を見てなんかどうでもよくなった。
「ん?何?」
そんな俺の気も知らず、頬を緩めた湊が聞いてくる。
「なんでもない!出るから手離して」
俺はどきどきしてることが湊に伝わっていないか不安で少しぶっきらぼうに言う。
というか、なんで俺はどきどきしてるんだよ…。
「はいはい」
湊は大して気にも留めていないように笑いながら言ってきた。
しかし、湊は俺の方に手を差し出したままだ。
「はぁ…わかったよ」
俺はまた湊の袖を掴んだ。
湊もまた満足そうに微笑んだ。
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