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ケーキを食べ終わって一息ついて、お会計をするために席を立つと先にお会計を済ませていた若い女性2人組に話しかけられた。
「ねえねえ、君たち高校生?」
「よかったら一緒に遊びに行かない?」
キャピキャピとその女性たちは言ってくる。
「遠慮します」
その女性たちに冷めた目を向けた湊がスパッと断る。
「えー、そんなこと言わずにさぁ〜」
片方の女性がさりげなく湊の肩を触る。
なんかもやっとする。
「やめてください。俺はこいつと2人で遊びたいんです」
肩を触った女性の手をパンッと払うと湊はそう言った。
もやっとした気持ちが少し晴れる。
「なっ…何よ、せっかく誘ってあげてんのに。ちょっと顔がいいからって」
女性が払われた手をぐっと握りしめて不満そうに言う。
「ま、まあまあ落ち着けって湊。すみません、こいつちょっと人付き合い苦手なやつで知らない人に話しかけられるとちょっとテンパっちゃうんですよ」
俺は合ってるような合ってないようなことを適当にぺらぺらと言ってその場を取り繕う。
「そうだったの?もっと早く言ってよ〜〜、びっくりしちゃったぁ!今日は諦めるけど今度遊ぼ??番号渡すからさ」
何でだよ!と心でつっこみつつ番号が書かれた紙を受け取る。
「連絡待ってるね〜〜」
「ばいばぁい」
そう言って女性たちは店を出て行った。
「朔、それ貸して」
心なしか苛々した顔の湊が俺の手にある紙を見て言う。
「あ、うん、はい」
俺は紙を素直に渡す。
「ん」
そう言って紙を受け取った湊はそのまま紙をびりっと破った。
「お前!?」
突然の行動に驚く俺。
「別にいらないでしょ」
当然というような顔で湊は言うと近くのゴミ箱に捨てた。
その光景を見てなんとなく心がすっとした気がした。
「ま、まあいらないけど」
俺がそう答えると
「でしょ?早く出よ」
軽く笑って湊は伝票をレジに持って行った。
「あ、ちょ、待て」
「待たない」
俺も急いで財布を取り出してなんとか奢ろうとするが、割に合わないからいいと言われ結局自分の分だけ払った。
そして俺たちは店を出た。
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