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優しく俺を抱きしめる湊に俺はどうすればいいかわからなかったが、特に嫌な気が起きるわけでもなかった。
むしろ、湊の体温と匂いが心地よかった。
俺は抱いていたクッションから手を離し、おずおずと湊の背中に腕を回す。
「っ?!朔!?」
少し驚いたように湊はばっと体を離す。
離れる体温に俺は少し寂しさを覚えた。
「なんで?」
俺はなぜ湊が離れたのかわからず首を傾げる。
「本当、好き…」
はぁ…とため息をつきながら湊が言う。
好き…か。俺は湊をどう思ってるんだろう。
いや、友達として好きではある、けど。
最近のあの胸の高鳴りであったりは何なのだろう。
「お前、ちゃんと嫌なことは嫌って言うんだぞ…?」
湊が少し眉を下げて微笑む。
別に俺、嫌なことはちゃんと嫌って言うけどな。
と思いながら、
「お、おう?」
俺は曖昧に頷く。
「お前もう今日は帰れ」
湊は俺の頭を撫でながら言った。
「はぁ?!来たばっかじゃん」
「俺ちょっとやらないといけないことあったの思い出してさ」
俺が不満をあらわにしながら言うと、優しい、だけど少し困ったような顔で笑いながら湊が言った。
「ったく、まあいいよ、帰る」
俺はおもむろに近くにあったリュックを取って帰る支度をする。
「ごめんな」
湊は申し訳なさそうに言う。
「まあ、別にいいけどさ。じゃあ月曜学校でな」
玄関まで見送ってくれた湊にそう言って俺は湊の家を出る。
そういや、なんで湊クッション持ちながら見送ってたんだ?
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