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別れ
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母さんと父さんは、俺が10歳の誕生日に交通事故で亡くなった。
家で母さんと父さんの帰りを待っていた。
その日は俺の誕生日だった。
6月6日。
雨が五月蝿く降り、風がいつにも増して強く吹き荒れていた。
「静玖、今晩お前の誕生日パーティをするぞ」
「静玖、楽しみねぇ!学校頑張るのよ!」
そう言って送り出してくれたから、当たり前に明日があると思ったんだ。夜があるって思ったんだ。
学校に行って、授業を受けて、今晩楽しみだなーって、給食だなーって。
そしたら、算数の先生が、真っ青な顔をして走って来たんだ。
そして俺の顔を見るなり、さらに顔を真っ青にして言い放った。
「静玖君、ちょっと来て」
算数の先生は担任の先生の顔を見るなり、俺らを引っ張って教員室まで連れて行った。
先生たちはみんな真っ青な顔をして立っていて、どうしたのかなーって。
何も話し出さない先生を見て、俺から話しかけたんだ。
「先生?どうしたの?体どこか痛いの??」
「……っ静玖君、貴方のね……お父さんとお母さんがね、交通…………事故で亡くなったの。」
「え?」
一瞬わからなかったんだ。何を行ってるんだろうって、でも直ぐに理解してしまった。
お父さんとお母さんが死んだ。
我慢しても溢れてくる涙に嗚咽しながら、しゃがみこんだのを今でも鮮明に覚えてる。
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