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満月
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だが吸われたところがジンジンして痛む……、そこをキオンの長い指が触ってきた。
「お前は肌が白いから、痕がくっきり残るな」
は?
恐る恐るキオンのことを見上げると、まるで熱があるんじゃないかと疑うほどキオンの顔は真っ赤になっていた。
「キ、キオン?」
「……ああ、クソ、もうダメだ。大人しくしてろよ。そうすりゃ命までは取らねえからよ」
俺は、キオンの言っていることが理解出来なかった。
キオンが俺の身体に覆い被さりながら、頰やら首にキスをしてきて身体が強張る。
「えっ、あ?」
なぜこんなことをする?
やめてくれ、と俺がキオンのことをまた蹴っ飛ばそうとしたそのとき、キオンがもぞもぞと身体を動かして俺の下半身にキオンの下半身を押し付けてきた。
「あ……っ」
ビクンッと身体が勝手に震えた。
俺は驚きを隠しきれず、目を丸くしながらキオンのことを見つめる。その視線に気付いたのか、キオンは顔を上げて俺と目を合わせると、その琥珀色の瞳を意地悪く細めた。
こいつ……!
かあっと顔が熱くなる。
キオンから借りたパンツ一枚しか履いていなかったから、すぐに分かった。
信じられないが、こいつ、勃ってやがる。
しかもそれを分かってて、わざと俺の股間に押し付けてきてる。
「お、まえ……ソッチなのか!?」
「ソッチ?……ああ、いや、どっちもいけるが」
そんなことを聞いているわけじゃねえ。
「お前は?まあ、見たところ童貞臭いけどな」
「あぁっ!?」
図星を突かれ、思わず声が上擦る。
まだ経験がないどころか、彼女なんて一度も出来たことがない。
「じゃあ、後ろは?」
キオンが首を傾けた。
「……は?」
言っている意味が分からない。
キオンは「分かりやすい奴」と笑って、俺のパンツを引っ張ってくる。
「えっ、お、おい!やめろ!」
慌てて脱がされかけたパンツを上げ、また下げられないようにがっちり両手で押さえた。
「な、なに、なにすんのっ?」
それを言うと、なぜかものすごく不思議そうな顔をされた。
「ナニって……セックス」
あまりにもストレート過ぎて逆に冷静になった。
「……俺と、お前で?」
「他に誰がいるんだよ」
キオンは面倒くさそうにため息をついた。
「お前は黙って寝てりゃいいんだよ。おら、さっさと足開らけ」
「ッざけんな!」
考えるより先に手が出て、俺はキオンの頰を思い切り殴っていた。
「お前……俺を助けた恩を、コレで返してもらおうって魂胆か?それとも、」
初めから、コレが目的で、俺のことを助けた?
俺の胸がチクリと痛み、泣きそうになるのをぐっと堪えた。
「……なあ、レイ」
キオンの静かな声が、俺のことを呼んだ。
「それは違う」という言葉をどっかで期待していたのかもしれない。だがキオンは無表情で俺のことを見下ろし、また静かな声で言った。
「さっき言ったよな?大人しくしていれば、命は取らねえって」
その瞬間、キオンの大きな掌が、俺の首を捉えた。
「あっ、う……!」
キオンの指が首に食い込み、息が、出来ない。
「苦しいか、レイ。でもお前が悪いんだぞ。お前が大人しくしねえから」
「やめて」
そう言ったつもりだったが喘ぐ声しか出ず、俺はキオンの腕を掴んで離させようともがいた。
苦しい苦しい、死ぬかもしれない、いや、死ぬ。
口を小さくパクパクさせている俺の顔を、キオンは鼻先が触れ合うくらい近くから覗き込んできた。
「俺は脅しで言ってんじゃねえぞ。ここで今、お前を殺そうと思えば殺せるんだ。分かったか?」
「返事」と言われ、必死に何度も何度も頷いた。
するとようやく手が離されて、一気に吸い込んだ空気にむせて咳き込んだ。
……首の骨を、へし折られるのではないかと思った。
そのくらい、恐ろしい力だった。
「さあて、気を取り直して……」
俺が咳き込んでいる間に、キオンは俺のパンツをずり下げた。
「はっ、縮こまってやがる。まあ、首絞められて勃たれても困るが」
咄嗟にキオンの身体を押しやろうとしたが、さっきの苦しさを思い出して身体が強張った。
キオンが母さんのなにかを知っているのは確かだ。
しかしここで逆らえば……、ほんとに殺されるかもしれない。
……耐えるしか、ないのだ。
唇を噛んだ俺を見て、キオンは口角をつり上げた。
「なあに、別に悪い話じゃねえだろ。お前のハジメテもらってやんだからよ」
そんなの望んでいない。
キオンはすごくすごく楽しそうに、大人しくなった俺の両足首を掴んで大きく広げた。そして、俺ですら見たことのないそこを、じっと見つめた。
首を絞められた直後だったからか、不思議と恥ずかしさはなかった。
それよりも大人しくせざるを得ないこの状況が悔しくて悔しくて、目の前が霞んだかと思えば、大粒の涙を零していた。
「……なんだ、泣いてんのか?」
それにキオンが気付いてしまった。
「ないて、ない」
俺は両腕で顔を隠したが、キオンが俺の腕を掴んで強引に俺の顔を見てくる。
そんなに人の苦しむ顔が見たいの?
さっきもそうだ。俺の首を絞めながら、俺のことを観察するようにじっと見ていた。
嫌いだ。
キオンの琥珀色の目なんて、大っ嫌いだ。
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