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満月
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「泣いてんじゃねえか」
みっともない顔を見られて、かあっと頰が赤くなる。
「う、うるさい……!」
キオンの手を払おうと身体をよじらせると、ボロボロ涙が零れた。
なんて屈辱だろう。
なんてバカだったんだろう、俺は。
俺みたいな赤毛なんかに、誰かが優しくしてくれるわけないのに。
なにを思ったのか、キオンはおもむろに俺の目元をベロッと舐めた。
「は……、」
それからキオンは俺の前髪を掻き上げて、額にキスをした。その唇は、さっき乱暴に俺の肌を吸ったとは思えないくらい、優しかった。
予想外の行動に涙が引っ込む。
「……なに、今の」
思わず問いかけていた。
キオンは一瞬キョトンとしたが、すぐに不敵な笑みをうかべた。
「可愛かったから」
なんだそれ。
さっき首を締めてきたくせに?
呆れて物も言えない俺を尻目に、キオンが自分の指を口に含んで濡らす。
「ハジメテだからちょっとは優しくしてやっけど、俺はこれでも余裕ねえんだ。だから力抜け」
「えっ、あ?」
「だから、力抜けって言ってんの」
キオンは俺の股間に手を突っ込んで、「ここ」と先ほど濡らしていた指先で、後孔の入り口を軽く叩く。
人に触られたことないそこに触れられ、背筋がゾワッとした。
「ど、どこ触って……」
「ケツの穴触ったくらいで動揺すんなよ」
「やっぱり童貞だな」とキオンに鼻で笑われて頰が熱くなった。
尻の穴を使って、それがどういうことをすることなのかくらい、知っている。
童貞もクソも、普通は男同士でヤらねえだろ!
「だって、」
「息、止めるなよ」
俺の言い訳はあっさりと遮られ、ふっとキオンの顔から笑みが消えたかと思えば、入り口を突いていた指が中に入ってくるのを感じる。
感じたことのない異物感に、吐き気がした。
挿れられた指がゆっくりと俺の肉壁を擦り、奥へ奥へと進む。
気持ちが悪くて声が漏れそうになったものの、情けないであろうその声を聞かれたくなくて、必死に下唇を噛んで我慢した。
だが、すぐにもう一本の指が挿入され、俺は声が我慢出来なかった。
「っんう……!」
気持ち悪さの他に、苦しさが上乗せされた。
「キツいな」とキオンが舌打ちをしながら、早く慣れさせようとしてか、挿れられただけで堪らないのに乱暴に中を掻き混ぜてくる。
「ひ、ま、まって……、きもちわる、い……!」
首を振りながら咄嗟にキオンの肩を掴む。
キオンの目が細められた。キオンは何も言わないが、その冷ややかな視線で俺のことを見下ろしながら、俺の首に手をかけた。
「ッ……!」
力は全く込められていないのだが、先ほど首を締められたことを思い出して身体が強張る。
また、あの苦しみを味わいたいか?
そう言われているみたいだった。
俺はキオンの肩から手を離し、代わりにシーツを握り締めた。
「いい子だな、レイ。死にたくなかったらそうやって大人しくしていればいい」
キオンは片手を首にかけたまま、二本の指で好き勝手に俺の中を弄った。
俺は必死に我慢しようとした。
しかし、男なのに尻を弄られる屈辱、慣れぬ異物感、それらから逃れようと少しでも身体を捩らせれば、首にかけたキオンの指が首に食い込む。多分俺の首は赤くなっていると思う。
「ん、あ……っ」
不意にキオンの指が抜かれ、俺は身体を震わせた。
あれほど抜いてほしかったはずなのに、いざ抜かれてしまうと、なんか、物寂しい。
……寂しい?
ようやく首から手が離された。
見れば、キオンがズボンのベルトを緩めている。どこか頭がぼーっとしていて、ぼんやりとその様子を眺めているとキオンは小馬鹿にするように鼻を鳴らした。
「なんだその顔は。ケツ弄られるのそんなに気持ちよかったのか?」
その問いかけにハッとして、慌てて顔を逸らした。
そんなわけ、ないのだ。
顎を掴まれ、逸らした視線を強制的に元に戻されたと同時に、後孔に熱い塊が押し付けられて目を見開く。恐る恐る下半身を見れば、キオンがズボンの前を寛げさせ、俺の股間に押し付けている。
覚悟はしていたが、それを見た途端に嫌な汗が噴き出した。
あんなもの、入るわけがない。
ましてや尻を使ったことなんてないのに。
キオンのそれは、明らかに普通の性器と比べても太いのだ。
「は……入り口パクパクしてて、おねだりしてるみたいで可愛いな、お前のケツ」
キオンは腰を揺すり、後孔の入り口をグニグニと刺激してくる。
すでにキオンの性器は硬くなっており、性器から滲む先走りで滑って今にも入ってしまいそうで、俺は気が気じゃなかった。
「まだ慣らし足りねえ気がするが……ん、今、入り口キュって締まったな」
「あ、んんっ……や、やめて、入っちゃ、う……!」
「バカか、挿れるんだよ」
腰の動きが止まる。キオンはゆっくりと下唇を舐めながら、俺の腰を両手でがっちりと掴んだ。
嫌だ、入るわけない。
裂ける、痛いのは嫌だ……!
言うことを聞くつもりだった。
しかし、首を絞められることよりも、犯される恐怖がじわじわと俺の頭を侵食していく。
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