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満月
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呼吸が浅くなっていく。
汗が滲む。
グチュッと音を立てて、狙いを定めるように性器の先端が力強く押し付けられる。
もう、頭がおかしくなりそうだった。
「ッ……あ、あああ!」
俺は、キオンの顔面を思い切り殴りつけた。
「ぐ……っ」
すっかり油断していたようで、キオンは避けることが出来なかった。咄嗟に顔を抑えたおかげで俺の腰から手を離す。
チャンスは今しかないと言っても過言ではなかった。
だが、身体に力が入らない。
ガタガタと膝が震え、立ち上がろうにも言うことを聞かない。
なんとか身体をひっくり返し、這ってでもここから離れようと、シーツを掴む。
ベッドから転がり落ちても構わなかったから、俺はベッドから身を乗り出したが、その瞬間、背後から後ろ頭を掴まれてベッドに押し付けられた。
「……なんだ、レイ。バックがいいなら初めからそう言えよ」
感情の一切を殺したような、底冷えする低い声を聞いた瞬間、呆気なくも逃げようと思ったことを酷く後悔した。
……ほんとに殺されるかもしれないと、思った。
大きな手が、再び俺の腰を掴む。
硬い性器がぴったりと押し付けられたかと思えば、それはなんの遠慮もなく、俺の中に押し込まれた。
「うッ、ぐ、……あ、あっあぁ!」
堪らず悲鳴を上げる。
処女だったそこに、他人の物を受け止める激痛。そもそもたった指二本ごときで慣れるわけがないのだ。
俺はまともに息をすることすら出来ず、口をパクパクさせながら何度も何度もシーツを爪で引っ掻いた。
しかし、苦しそうだったのは無理矢理挿入したキオンも同じだった。先端を挿入したのはいいものの、キツくてそれ以上奥に挿れれないのだ。
「そんなに締めるな、っの……クソ!」
「んぁッ!」
焦れたキオンが舌打ちを零しながら、突き出した俺の尻を思い切り叩いてくる。
そうは言われたって、自分でもどうしたらいいのか分からない。
尻を使ったのだって初めてだ。緩め方なんて知らないし、とにかく痛いし、ボロボロ勝手に涙が溢れてきて先すらもよく見えない。
キオンが息を飲んだ。
「おい、泣くなよ……余計締まる……!」
また叩かれる……、
俺は身構えたが、キオンの手は俺の股間を弄り、痛みで縮こまっている俺の性器を握った。
「え、っ?」
思いがけぬ行動にびっくりして声が漏れる。
キオンは俺の背中に身体を密着させ、俺の肩に顎を乗せてくる。
「俺だってこんなめんどくせえことしたくないが……このまんまじゃ、俺のちんこ食い千切られちまう」
「一回イかせてやる」と、耳元で囁いた。
勝手に突っ込んでおいて、好き勝手なことを言いやがる……、横目でキオンを睨むと、睨まれた本人は楽しそうに表情を歪めた。
性器を握るキオンの掌が萎えっぱなしのそれをゆっくりと上下に扱く。
「どこ弄られんの好きか言ってみろ。先っぽか?」
気持ちいいところを探ろうとしてか、キオンの親指が自身の先端をグリグリと刺激しながら俺の様子を伺ってくる。
俺は顔を見られるのが嫌で、額をベッドに押し付けて隠した。
「レイ、レーイ、顔上げろ」
「っ、い……!」
挿入された性器がほんの少し押し進められて、後孔をめいいっぱい開かせられる鈍い痛みに弾かれたように顔を上げて、ぶるりと身体を震わせる。
キオンは少し苛立っているようだった。
「まさか聞こえてねえわけないよなあ?……どこがいいか、ちゃんと言え」
「うあ……!」
親指の腹が性器の先端をくすぐってきて、思わず声が漏れる。
尻が切れたら嫌だ……俺は咄嗟に答えた。
「さ、さき、んとこ……触られるの、すき……っ」
「……やっぱり先っぽがいいんだな。すげえ濡れてきてる」
良く出来ました。
褒めているかのように、キオンは俺の耳朶をチュッと吸うと、性器の先端を重点的に弄り始めた。
「ふ、……ン、あ……」
自分で触るのとは、全く違う。俺と手の大きさが違うから、与えられる刺激も比べ物にならないくらい……気持ち、いい。
我慢しようとしても濡れた唇の隙間から声が漏れてしまう。堪らなくて緩々と首を左右に振った。
悔しいが、キオンは上手いのだ。
ずっと強く擦るわけではなく、俺の反応を見て緩急をつけてくる。萎えていたはずの性器はすっかり勃ち上がってしまい、気持ちいいと思ってしまう自分が憎たらしい。……こんな奴の手で。
俺は肩に顎を載せているキオンを睨みつける。
「っ……」
だが、キオンの横顔を見た途端、俺は息を飲んだ。
先端を挿れっぱなしにしているキオンも表情に余裕はなく、額には軽く汗が滲んでいた。その顔がなぜか少し色っぽく見えて、若干濡れている琥珀色の瞳がこちらを見た瞬間、背筋がゾクゾクとしてきゅうっと中を締めてしまった。
途端にキオンの表情が一層険しくなる。
「おい、締めるなよッ!」
「お、れだって、好きで締めてない!」
俺は慌てて視線を外した。
「クソ……!」
キオンは舌打ちをして、苛立ちげに俺の肩に噛み付いてきた。
「ひ、ぁあ!」
甘噛みだったが、びっくりして声が裏返る。
キオンは肩を噛んだまま、乱暴に性器を扱う。それに合わせてクチュクチュといやらしい水音が響き、それが俺からしているかと思うと恥ずかしさでこの場から逃げたくなる。
「あっ、あんぅ……や、もう、やだ……!」
「なにが嫌だって?身体は気持ちいいって言ってんぞ」
ぢゅっと音を立てながらキオンが俺の肩に強く吸い付いて、赤い痕を残す。首と肩に点々と残るそれはまるでマーキングみたいで侮辱的だったが、俺はそれどころじゃなかった。
「ッも、だめ、出る、出るぅ……!ひ、ゃあっぁ!」
我慢出来なかった。
一際大きく身体を震わせ、俺はキオンの手の中に精液を吐き出していた。
「っは……」
イって、しまった。こいつの手で。
その事実に涙が出そうになる。
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