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狼
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皺の寄る眉間に、キオンがキスをした。
「なに迷ってんだ?それとも家主が帰ってくるの待ってるのか?」
俺は慌てて首を振った。
「それは違う!それは……絶対に嫌だ……」
「なら早く決めろよ。本心じゃないのなら、言えるだろう?」
俺はその言葉が、悪魔の囁きに聞こえた。
「お……終わらせろ、誰か、来る前に……」
俺はとうとう言ってしまった。
本心ではない。
一番マシな選択だったから、選んだに過ぎない。必死に自分に言い聞かせ、悪魔に言ってしまった。
キオンは一瞬ぽかんとした顔をして、それからにっこりと笑った。
「そうか、じゃあ慣らさないとな」
「……痛いのは、やだ」
「ああ、分かってる」
キオンが俺の下着ごとズボンを掴んで、ゆっくりと足から引き抜いていく。晒された下腹部が外気に触れて身震いした。
キオンの視線は俺の萎えたそれに注がれている。やっぱり他人にそこを見られるのはいい気分じゃない……恥ずかしくなって顔を逸らす。
しかし、キオンはすぐに顔を上げると俺の顔を覗き込んできた。
「レイ、足持て」
「へ……?」
キオンが聞こえなかったのかと言わんばかりに、緩々と首を傾ける。
「だから足。膝の裏に手ェいれて、自分の方に引き寄せるっていうか」
いうや否「こうやって」とキオンが俺の膝裏に手を差し込み、俺の上半身に押し付けてくる。
足は大きく開かれ、尻が床から浮いている。だからキオンからは俺の恥ずかしいところが全部丸見えというわけだ。
「っ、な、なんで……!」
羞恥のあまり足をバタバタさせると、キオンは不思議そうな顔をしながら手を離した。
「なんでって……あのなあ、慣らしてほしいんだろ?なら黙ってやれよ。別に難しいことじゃねえだろ」
「でも……」
下半身裸というだけでも恥ずかしくて堪らないのに、そんな格好を自分からするなんてそんな真似、二つ返事で出来ない。
キオンは大きく溜息をついた。
「じゃあ、慣らさないで挿れるか?」
それはなんとも恐ろしい台詞だった。
それがどれくらい痛いか、俺は知っている。それを脅しに使うなんて、ほんとこいつはズルいやつだ。
悔しくて、顔をくしゃっと歪めながらキオンのことを睨みつけてやる。これが俺なりの抵抗のつもりで、それから緩慢な動きで自らの膝裏に手を入れ、言われた通り膝を抱えた体勢を取った。
「こ……これで、いいっ?」
恥ずかしくて死にそう。
自然と身体に力が篭り、恐る恐るキオンに尋ねると、キオンは俺の格好をまじまじと見て頰を緩めた。
「レイ、すげえ可愛い」
なんとも嬉しそうな顔である。
こいつ、頭沸いてんのか?
キオンはおもむろに伸ばしてきた手で俺の腿裏をゆっくりと撫でてきた。
「っ、や……」
相変わらずその手は冷たくて、腿が勝手にビクッと震えた。
それを見てキオンの笑みがますます深くなる。
「レイの肌は白くて、すげーすべすべしてて触り心地がいいな……なんか手入れしてんのか?」
そう言いながら何度も俺の腿を撫で上げてくるもんだから、変な声が漏れそうになって口をきゅっと結ぶ。
「おい、レイ」
「ッ!」
答えようとしない俺にムッとしたのか、突然パンッと音を立ててキオンが俺の腿を叩いてくる。
少し遅れて、平手打ちされた腿がジンジンと痛み出してきた。恐らく赤くなっているそこを再びキオンの掌に触れられ、俺は答えなければまた叩かれと思って慌てて首を振った。
「……そうやって初めから返事すりゃいいんだよ」
キオンは唇を尖らせて不貞腐れたように呟いた。
不思議だが、その姿が子供みたいに見えた。まるでワガママな子供。
……いや、こんなデカくて男臭いやつ、可愛くもなんともねえが。
キオンは「慣らしてやる」と言い放つなり、俺の腿を掴んで更に大きく足を広げさせてくる。そして、なんの躊躇もなく、俺の尻の孔に口元を寄せてきたのだ。
あまりにも驚いて、声すら出なかった。だが、湿ったそれが孔を舐めた瞬間、俺は我に返った。
「えっ、あ、なっ……な、なにするの……っ?」
「だから慣らすって言ってんだろ」
キオンは至極当たり前のように答えたが、俺は信じられなかった。
だって、そんなところ舐めるなんて、
「んうっ!」
キオンの舌先が無理矢理ねじ込まれだかと思えば、後孔を出たり入ったり繰り返す。それがすごく変な感じがして、ブルブルと小刻みに身体を震わせる。
「ふ、あっ……や、汚い……ッ」
キオンはちっとも聞く耳を持たないどころか、ぢゅっと音を立てて吸ってくる。
恥ずかしくて顔を隠したかったが、両手が塞がってしまっている。勝手に手なんか離してみろ、また叩かれるに決まっている。
俺は顔を隠せない代わりにぎゅっと目を瞑って、ひたすら耐えることにした。ここで抵抗しても時間の無駄にしかならない。早く事を終わらせることに専念しなければ、家主が帰ってくるという最悪のケースに陥ることになる。
我慢しろ我慢しろ……身体を震わせながら自分に言い聞かせた。
「……今だけの我慢、って思ってるだろ」
ハッとして目を開けると、目の前にキオンの顔があった。キオンは面白くなさそうにフンと鼻を鳴らし、俺の顔を見下ろしたまま、俺の尻を撫でた。
「お前はそう思ってるかもしんねえが、お前の身体は俺のこと好きだぞ。ここ、ヒクヒクしてる」
「あっ、ン……!」
キオンの長い指が、入ってきた。しかも一本の太さではない。
「や、あっあ……な、なんで、二本一気に挿れて、」
「早く慣らして欲しいんだろ?それとも、見られたいのか?」
かあっと顔が熱くなるのを感じた。
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