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黒髪の男
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路地を歩き進めてたった数十秒「ここです」と指差された建物の中へと入る。
「イ、イズミ……さん、ここは?」
「僕が部屋を借りているアパートです。正面から入ると目立つかと思って」
アパートの裏口だったらしい。
前を歩くイズミさんが誰もいないことを確認してから急いで階段を駆け上がる。こんな姿を見られて勘違いされたらたまったもんじゃない……俺も慌ててその後ろをついて行く。
二階建てのアパートだ。建物自体はそんなに大きくないが、とても綺麗な印象を受ける。イズミさんの部屋は階段を登って1番手前の部屋だった。
「どうぞ」
イズミさんが鍵を開け、さっと避けて俺のことを先に家の中に通す。
「お、お邪魔します……」
恐る恐る中に踏み込む。奥に突き進むのに躊躇していると後ろから背中を押され、押し込まれるように部屋へと上り込んだ。
部屋をぐるりと見渡してみたが、イズミさんの部屋は綺麗というよりも物がない。
あるとすれば大きな鞄と、ベッドが一つ。本棚もなければ、テーブルもない。小さなキッチンも見受けられたが、大した食器もないように見える。
まあ、確かに自炊するタイプには見えないが、ここでどんな生活をしているんだ?
「取り敢えずそこら辺に座ってください。紅茶とコーヒー、どちらがいいですか?」
イズミさんがキッチンに立ち、ティーカップを片手に首を傾ける。
そこら辺に座れと言われてもベッドしかない。
というか、お茶なんか飲みにきたわけじゃない……俺は居心地が悪くて視線を彷徨わせる。
「お茶もいいんですけど……」
「お腹すきました?」
「そうじゃなくて」
呆れた顔をしてイズミさんのことを見遣ると、不思議な顔をされた。
わざととぼけているのか、本当に目的を忘れてしまったのか定かではないが、俺は一刻も早くここを出て行きたいから察してほしい。
暫し俺の顔を見つめたあと、俺から引ったくったズボンを見て「ああ」と声を上げる。
この人とスムーズに会話が出来る気がしない。
ズボンを返してもらった。財布もズボンのポケットに入っており、一先ず安心する。
「良かったら、これで身体拭いてください」
それに加えて身体を拭くタオルまで差し出された。
俺は「ありがとうございます」とお礼を一言添えてそれを受け取ろうと掴んだが、イズミさんがタオルを離してくれない。
「……なんですか?」
「仕方、分かります?」
俺は目を瞬いた。
なんのことを言っているのか分からず、タオルから視線を上げてイズミさんの顔を見上げると、イズミさんは極めて真剣な顔をしていた。そんなイズミさんの表情につられて俺の顔も強張る。
「なんの話ですか」と言いかけた瞬間、ぶわっと身体中の毛が総立った。
タオルを床に落とす。
「ちゃんと掻き出さないといけないんですよ。一人で出来ますか?」
むんず。
イズミさんの手が、俺の尻を鷲掴みにしていた。
「いいですか?ここに精液が残ってしまうと男の場合でも妊娠する可能性が、」
「んなわけあるか」
俺がイズミさんの手首を掴んで捻ると「いだだッ」と悲鳴を上げる。
バカにされてんのか?流石の俺でも嘘だと分かる。
手を離してやると、捻られた手首を摩りながら俺のことを若干涙目になりながら見つめてきた。
「そんな怒らなくたって……スキンシップですよ、スキンシップ」
「セクハラの間違いでしょうか」
俺は落ちたタオルを掴み、風呂場へ逃げた。
脱衣所で服を脱ごうとシャツのボタンに手をかけたものの、おもむろに扉を開けてみると当たり前の顔をしてイズミさんがいた。
「あっ、お気になさらずに」
「パンツ洗濯しますか?」という申し出にツバを吐かなかったことを褒めてほしい。
しかし、なぜかイズミさんにはケツを揉まれても、覗き見されても、苛立ちはしても羞恥というものを感じなかった。
流石に初対面で下半身を見られるのは恥ずかしいというか、死にたくはなったが、天然で、悪気のない感じがするからだろうか?無自覚というのもタチが悪いが……いや、あれは、本当に天然で言っているのか?
俺にはどうも、イズミさんが「天然のフリ」をしているようにしか思えないのだ。別に根拠があるわけでもなく、言葉に言い表せないのだが、なんというか……腹の底では多分違うことを考えているというか、裏表がありそうな気がしてならない。
悪い人ではない、とは信じたい。現に変質者と思われてもおかしくない見ず知らずの俺に風呂を貸してくれているわけだし。
俺はもう一度脱衣所の扉を開けて、イズミさんがいないことを確認してから風呂に入った。
ある程度のことは覚悟していたが、俺が思っていた以上に大変だった。
「あ……ンッ」
両膝を床について、左手で穴を広げ、右手の指を尻の中に突っ込んで精液を掻き出す。
最初は四つん這いになってやっていたが上手く出てこなくて、この体勢の方が精液が下がってきてすんなり出せるのではないかと考えたのだが、初めてやるから上手くいかない。
俺は苛立って、少し乱暴に指を動かしながら舌打ちをした。
なぜ俺がこんなことをやらなからばならない。そもそもあいつに行為を迫られなければ、下半身丸出しで外を歩くことも、イズミさんというちょっと面倒な人に出会うこともなかった。
だが、1番腹立たしいのは自分だ。まんまとキオンの口車に乗せられてしまった自分の馬鹿さ加減と、単純さにヘドが出る。
ぶるっ、と身体を震わせながら指を引き抜く。
それとほぼ同時に精液が垂れ出てきて、タイルの上に落ちた。俺はそれを見下ろし、そういえば、とキオンに初めて犯されたときのことを思い出す。
あのときは途中で気を失ってしまって、次に目が覚めたときは身体が綺麗になったいた。
確かに中出しされたが起きたときにこんな不快感はなかったし、ということは、キオンが精液を掻き出してくれたってことで、
「ッ、」
かあっと顔が熱くなるのを感じる。
俺が気を失っている間に、後処理をしてくれた?
こうやってケツの中に指を突っ込んで、中に大量に出された精液を、そこまで想像して慌てて首を振る。
アホか。そりゃ中出ししたのはあいつなんだから、あいつが後処理をして当然なことだ。
俺は再び指を突っ込んで、まだ中に残っている精液を掻き出す。
……キオンは指が太くて長いから奥の方まで届いて、掻き出しやすいんだろうなに考えてるんだ死ね。
こんなことを考えてしまう自分に嫌気が指す。
今は、後処理なんかに時間なんてかけている場合じゃないんだ。
さっさと終わらせてしまうに越したことはない。
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