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好きの感情
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「あのな、レイ。これは対面座位っつーんだけど、今までヤってきたのと違うところが擦れて、すげえイイと思うぞ。な?物は試しだと思って」
「そういう問題じゃねえ!」
「もしかして顔見られるの嫌なのか?」
痛いところを突かれて押し黙る。
それを見て正解だと察したのか、キオンは口角をつり上げた。
「そうかそうか……なら、やっぱこっちの方がいい」
キオンが俺の腿をゆっくりと撫で上げた。
「最初こそ恥ずかしいと思うが、入っちまえば俺の首にしがみついて顔隠せばいいだろ?その方が俺的にもレイのいやらしー声が耳元で聞けて、一石二鳥だし」
「そ、そうかな……」
「大丈夫だって、レイは腰落とすだけ。ほら、その方がレイのペースでやれるし」
確かにそれはそうだなと思った。
俺は少し悩んだあと、小さく頷いた。
なんだかキオンの口車に乗せられたような気がしなくもないが、まあいい。
それに俺が自分で挿れるって、なんか主導権を握った感じもするし。
キオンはニヤッと笑ったあと「腰支えてやる」と両手で俺の腰を掴む。
俺は左腕は首に回したまま、右手を後ろに回して後孔の入り口を広げた。これもキオンに見られていないから、やりやすいといっちゃやりやすい。恥ずかしさがなくなったわけではないが。
俺は小さく息を吐き出した。
支えなくても反り勃っている性器の先端を後孔に押し付けると、その熱さと硬さに肩が跳ねた。
「身体から力抜け……余計苦しい思いをするぞ」
優しげなキオンの声が耳元で囁かれ、俺はこくこくと頷いた。
「そ……それじゃあ、腰、落とすから……」
俺は、ゆっくり腰を落とした。
ぐちゅっ。
小さな水音を立てて、性器の先端が中に入ってきた。
「んぐ……っ」
やっぱり硬い。先っぽだけなのに、この圧迫感はなんだろう。
「大丈夫だ……そのままゆっくり、な?」
「ンっ」
キオンの吐息が耳にかかってくすぐったくて小さく身動ぎをする。
「は、ぁん……おっ、きい……」
キオンの性器を飲み込んでいった。その大きさから極めてゆっくりと、中を擦り上げながら挿入していく。なんとか先端の太いところを挿入し終わったがそれだけで息が上がってしまう。
するとキオンが俺の耳元で囁いた。
「レイ、そのままゆっくり腰を上下に動かしてみろ。カリが入り口で引っかかって、すげえいいぞ」
「カリ……?」
俺がぼんやりと呟くと「いいから」と動かすように促してくる。
言われた通り、のろのろと腰を動かして一旦挿れた性器が抜けてしまうギリギリのところまで腰を浮かせ、腰を落とす。
「うぁ……っ」
硬くて出っ張ったところが入り口に引っかかり、俺は悲鳴を上げた。
なんだ、この感じ……少し、怖い。
キオンの顔もほんの少し歪んだ。
「っレイの中、すげえ……まだ先っぽだけなのに」
「な、なんか、変……っ俺の身体、ビクビクって」
「変じゃねえ。俺のちんぽ気持ちいいって言ってんだよ。ほら、今度はもっと腰下ろして……もっと深いところで咥えろ」
ちゅうっと音を立てて、キオンが俺の顎を吸った。
もっともっと深いところ……そこに挿れられたときのことを思い出し、小さく唾液を飲み込む。
自分でも無意識のうちに頷くと、慎重に腰を下ろしていった。
硬くて熱いそれが、俺の肉壁を割って中に入っていくのを感じる。キオンの性器が脈打つのも感じ取れるくらい、俺は締め付けていた。
そのせいで挿入しているときは息をしていなかったかもしれないが、緩めようにも身体が言うことを聞いてくれない。
キオンの言う通り、俺は挿れられて喜んでいる変態なのか……?
かあっと顔が熱くなるのを感じた。
自身を半分ほどまで挿れただろうか。
「あ、っも、だめ……これ以上は入らないよぉ……」
俺はグズグズと鼻を鳴らしながら、首を振った。
後ろに回した手で入り口に触れてみると、キオンのを飲み込んでギチギチに広がっていた。これ以上挿れたら裂けてしまうのではないかという恐怖心に襲われ、俺はキオンの首に両腕を回してしがみついた。
キオンはフーッと乱れた息を吐き出し、ほんの少しだけ腰を揺らした。
「ん……っあと少しなんだなあ」
「で、でも、お尻、裂けちゃう」
「おいおい、いつもの威勢はどこいった?」
「だって、怖い……」
するとキオンが俺の頭を撫でてくれた。その手つきがすごく優しくて、ほんの少し安心する。
「キオン……」
そうだ、キオンは根は優しいんだ。
おずおずとキオンの首筋に鼻先を押し付けて、ちょっと甘えてみる。
キオンはくすぐったそうに肩を揺らした。
「大丈夫だレイ。大丈夫だからな」
「うん……」
しがみついたまま小さく頷くと、キオンは俺の身体を強く抱き締めた。
少し驚いたが、キオンの体温に安心して目を細める。
キオンのことだから意地悪なことを言われたり、されたりするかと思って身構えていたが、こうして俺のことを安心させようとしてくれている。なんだかそれが嬉しかった。
……嬉しかった、のに。
「……ッあ」
俺は口をパクパクと開閉させながら、自分が勘違いしていたことに気付く。
自分にとって都合のいい解釈をしてしまっていた。
「レイ、レイ……俺はほんとにお前が好きなんだ。だから」
そろりと顔を上げてキオンと目を合わせる。
キオンは、笑っていた。獲物を見つけた、肉食獣のような凶悪な顔で。
キオンは俺を安心させようと、俺のことを抱き締めてくれていたわけじゃない。
「レイの奥で、お前のことを感じてえ」
俺の身体が動かないように、固定するためだ。
「〜〜ッ!」
頭のてっぺんから足のつま先まで、強い刺激が俺のことを襲ってきて、声も出なかった。身体に火がついたみたいに熱くて目の前がチカチカする。
入るわけがない……裂けちゃう、と思って身体を強張らせた瞬間、ぱちゅんっと音を立てて、肉がぶつかり合う音を聞いた。
「ンぁあ!」
奥に、硬い性器の先端が当たったような気がした。
キオンは俺の肩に額を押し付けて乱れた呼吸を整えながら、後ろに手を回して俺の尻を撫でた。
「ほらレイ……ちゃーんと根元まで入ったぞ」
「っうそだ……!」
「嘘じゃねえって」
キオンの指がツツッと結合部を撫で、俺は熱い吐息を吐いた。
「無理矢理挿れやがって……このバカ!」
俺はキオンの背中を拳で叩くと、キオンは申し訳なさそうに眉を下げた。
「だ、だって、先っぽだけなんて半殺しだろ……レイだって、奥ずぽずぽされるの好きだろ?」
「っ、な、なに言ってんだよアホ」
「お前こそ嘘つくなよ。……なあ、悪かったって」
キオンが俺の身体を抱き締め直す。
またなにか企んでいるのではないかと身構えたが、俺の耳朶にちゅっとキスをしてきたところを見ると俺の機嫌を直そうとしているらしい。
「……許さねえ」
抱き締めたくらいじゃ許してやんない。
不貞腐れていますよと言わんばかりに頰を膨らませ、顔を逸らしてキスから逃げた。
「レイ……」
キオンがしゅんとしながら、寂しそうな声で俺の中を呼ぶ。まるで雨で濡れた子犬みたいな顔だ。
……やめろ、そんな顔で俺のことを見るな。同情なんてしねえぞバカタレ。
俺はしばし顎をツンとさせてキオンのことを無視していたが、キオンはずっと俺のことを見てくる。欲に負けて腰を動かさないで待てしていることは偉いなとは思うが、ここで甘やかしたらダメだ。
「……分かった、キオン。許してやる」
小さく息を吐き出し、キオンに視線を戻す。すると分かりやすいくらい目をキラキラとさせて、俺の頰にキスの雨を降らせてくる。
「ごめんなレイ!もうしねえから……な、なあ、もういい……よな?早くお前の中で、」
「だーめ」
……見てろよ、クソ狼。好き勝手ヤらやがって。
「お前は黙ってろ。俺がぜーんぶシてやる」
「は?」
キオンは素っ頓狂な声を出して、目を丸くしている。
間抜けな顔め。
「キオン、言ったよな?俺のペースで出来るって。だから今から俺のペースで、お前のこと躾してやる」
すぐに発情して突っ込みたがる狼を。
キオンの肩を掴み、今度は俺の方が凶悪な笑みをうかべて見せた。
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