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アルコール
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レイはなにも言わずに目を伏せた。睫毛が長いせいでその動作だけでも、やっぱり色っぽい。
レイが可愛いとかエロいとか、そう思ったことはあるが、色っぽいと思ったことは初めてだ。なんて表現したらいいのか分からないが、なんだか今のレイは色っぽさがある。
胸だってねえ、そもそも女じゃねえ。
俺は、男に色っぽさを感じている。
酒のせいで頰がほんのり赤いからか?
いつもみたいにギャンギャン口悪いことを言わないからか?
レイの薄く開いた唇を見た瞬間、胸がざわついた。
身体が、熱くなる。
そのとき、レイが俺のことを見た。そしてその色っぽい唇を動かして、普段のレイならば考えられない発言をした。
「キオン……ちゅう、したい」
俺は自分の耳を疑う。
レイが自らキスをねだってくるなんて。
「なんだレイ……ほんとにお前、誰かに教わってきたわけじゃねえだろうな?もしそうならタダじゃおかないからな」
さっきの誘い方といい、今のレイの色っぽさに頭がクラクラしそうだ。
今すぐレイの唇に噛みつかんばかりの勢いで吸い付いて、それからレイの口の中をぐちゃぐちゃにかき回したい。息をするのも忘れそうな、そんなキスをしてやりたい。
そんなキスをしたら、今のレイはどんな顔をするのだろうか?想像しただけで身体が熱くなりそうだ。
甘えるように俺の首筋に額をぐりぐりと押し付けてくるレイの耳に、仕返しのつもりでふうっと息を吐きかけた。
その瞬間、ぴくんっとレイの身体が跳ね、なにをするんだと言わんばかりに睨んでくるが、酔っているせいでそんなに怖くない。むしろ目が少し潤んでいるせいで可愛い。
俺は顔を傾け、レイの唇に一瞬触れるだけの軽いキスをした。勿論俺自身そんなキスだけで満足するわけがないのだが、もういいですと言わんばかりに澄ました表情を作ってレイの顔色を伺う。
レイはその一瞬のキスに心地良さそうに目を細めたものの、俺の顔が離れた途端に目を大きく見開いた。
「……けちんぼ」
レイの頰がぷくうっと膨らむ。
膨らむ、その顔が、非常に、
レイの可愛さにジーンッと目頭を熱くなり、慌てて首を振った。決して泣いてないぞ。泣いてない。
俺は目頭を押さえたあと、気を取り直してニヤリと口角をつり上げる。
「なにがだ?キスしただろ?」
「今のはちゅうじゃない」
ちゅうってなんだ……一々可愛い言い方するんじゃけぇよ。あんまそういうこと言うなら唇噛みちぎるぞクソ野郎。
内心ではそんな物騒なことを考えながらも、あくまでも表情はいつも通りな自分のことを褒めたい。
「レイの言うちゅうってのは、どんなのだ?俺に教えてごらん」
アルコールのせいでいつもと違う今のレイならば、どんな反応をするのだろうか。
俺はレイの唇を人差し指でなぞってみたら、やっぱりフニフニしてて、柔らかい。何度か指を跳ねさせてその感触を楽しんでいると、唇の隙間から赤い舌先が顔を覗かせ、俺の指先をチロリと舐めた。
「な、ッ」
生温かくてぬるりとした、レイの舌の感触。
反射的に手を引っ込めようとしたが、レイに手首を掴まれてしまう。いや、振り払うことも出来る。そんなに強く掴まれているわけでもないし、人間の力なんぞ人狼の前では無力に等しい。
振り払うことなんて簡単なのだ。簡単なのだが……、
「レ……、レイっ?」
レイが俺の手を両手で支えながら、それを口元に持っていき、俺の人差し指の先端に吸い付いている。
信じられなくて声をひっくり返しながらレイの名前を呼ぶものの、まるで聞こえていないように指をゆっくりと口に含む。
レイの柔らかい口内で俺の人差し指を包み込まれて、俺は言葉を失った。
おい、別にフェラされてるわけでもないんだぞ。なのに俺の指を口に咥えるレイが、すごくいやらしい。
酒飲んでるせいか、いつもより口の中が熱いような気がする。
「ッいて」
レイの好きなようにさせてやると突然指を噛まれた。痛みよりも驚いて声が出たのだが、レイは指を咥えたまま、モゴモゴと口を動かした。
「ばひゅ」
しかし口の中にものを入れているもんだから、なにを言っているのか分からない。
「あ?なんだって?」
「ひゃっきの、ばひゅっ!」
ばひゅ……?
聞き直したが、やっぱり分からない。
ひゃっき……もしかして、さっき、か?
さっきの、ばひゅ?
俺は「ああ」と漏らした。
そうか、「さっきの、バツ」か。
合点がいった。
レイが俺の指を噛んだのは、キスをしてと強請ったレイに意地悪をしたことに対するバツか。
……ふうん、バツねえ。
「レイ、そんなに俺の指しゃぶるの楽しいのか?」
俺がレイの顔を覗き込むと、レイは顔をそっぽに向けてしまった。
そんなちょっぴり拗ねているレイも可愛らしいが、レイのその様子を見ているとやっぱり意地悪したくなってしまうのが俺の悪いところだ。直すつもりなんて少しもねえが。
「まあ、いいけどよ。レイの気がすむまでしゃぶってりゃいい」
そう言いながら、口の中に含まれている指の腹を使ってレイの舌を撫でた。
「ン……ッ」
途端に可愛い反応を見せてくれた。
俺は口角をつり上げて、続けてレイの舌を撫でたあと今度は頰の裏をグリグリと押してみる。すると頰が指の形に盛り上がり、レイが喉の奥からくぐもった声を漏らした。
指を動かしながらレイの少し紅潮した頰を見つめていたのだが、なんだか無理矢理フェラさせているように見える。加えて俺が好き勝手動かしてるせいでレイが少し苦しそうな表情をうかべているため、膨らんだ性器を小さな口の中に突っ込まれ、フェラをすることを強要されているような……、ってなに考えてんだ。
と、そのとき、
「ッッいでえ!!!」
そんな妄想をして油断している隙に、今度は思いっきり指を噛まれた。
その瞬間、さっきまで気持ち良くフェラされていたのにまるで俺のキオンさんを噛まれたような感覚になって、股間がヒュンッとした。考えただけで恐ろしい。
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