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アルコール
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可愛い可愛い、俺のレイ。ちゃんと言えたらその白い頰にキスをして……と、想像を膨らませていたのに、レイの顔を見たら考えていたことはすっ飛んでしまった。
「レ……レイっ!?」
レイがその黒い瞳から大粒の涙をぼろぼろと零していたのだ。
「どどどっ、ど、どし、どうした!!?」
俺としたことが、動揺しまくって声が裏返る。さっきまで気持ち良さそうな顔をしていたくせに、その数分の間に一体なにがあったというんだ。
まさかこの短期間に腹が痛くなったのかもしれない。い、いや、もしかしたら頭が痛くて……と一瞬の間に色々考えてしまったが、レイの「キオンのばか」という掠れた声でハッとした。
そうか、俺のせいか……!
「なんでそんな意地悪ばっかりするの……?俺のこと嫌いなのっ?」
レイが一生懸命自分の目を擦りながら尋ねてくる。
これが他の人間だったら「めんどくせえ喰っちまお」ってことで、言葉の通り胃袋の中に処分してしまうところだが、レイが言うと言葉の重みが違う。まるで頭を思い切りぶん殴られたような衝撃に襲われた。
「そんなことないさ、レイ。愛してる」
「泣くなよ、ハニー。可愛い顔が台無しだ」
「こっち向けよ。キスしてやる」
色んな言葉が頭をよぎったが……、いや、素直に謝ろう。ちょっとレイで遊びすぎたかもしれん。
「わ……悪かった、レイ……」
俺はレイの身体を抱き締めた。
この間はこうやって抱き締めたら泣き止んでくれたのだが、レイは肩を震わせてまだ泣いている。だがどうしたらいいのか分からなくてオロオロしたあと、レイの頰にキスしてみる。
それでも泣き止まないもんだから、ちゅっちゅと音を立てて二回続けてキスをした。
すると目を擦るのをやめて、レイが俺のことを見た。
「……嫌いじゃ、ない?」
一瞬なんのことを聞いているのか分からなかったが、先ほどのレイの問いかけを思い出して、慌てて頷く。
レイのこと嫌いなもんか。嫌いな奴に飯を作ってやったりなんかしない。
それでもまだ心配そうに俺のことを見つめるレイを安心させようと、俺はレイの頭を撫でた。
「ほら、続きをしよう。そんなに力入れてちゃイけないぞ」
下着の中をまさぐってレイの性器に触れてみるとすでに萎えてしまっているようだったが、まあ、触っててやればすぐに硬くなるだろうかと思って手を動かす。
「あ……や、んっ」
控えめなレイの声も可愛らしくて堪らない。
萎えていたのも一瞬で、俺の手の中であっという間に硬くなったレイのそれ。膨らんでも掌にすっぽり収まってしまうサイズなもんだから、根元から先っぽまで全部一気に触ってやれる。
「レイのちんぽは可愛いサイズだな」……耳元で囁きかけて、やめた。
さっきも似たようなことを言ったが、レイの顔はそそるものがあった。しかし、また泣かれては困る……正直なところ泣き顔も可愛いなとは思ったが、レイには嫌われたくない。
「んん……っ、あ、……キ、キオ、」
酔ってて頭の中がふわふわしてるのかと思えば、下唇を噛んで声が出ないように我慢し始めた。そんな焦れったいところも可愛いが、やっぱり俺の手に感じてるレイの声を聞きたいっていう気持ちが勝る。
俺はレイのうなじに吸い付いた。
「っひ……!」
びっくりしたのか、レイが悲鳴をあげながら背を反らした。
すごく、いい匂いがする。人よりいい鼻を持っている俺からすれば、レイの匂いは俺の気をどうにかさせるには十分すぎる。
俺はレイの匂いと乱れた声を聞いているうちに勃ってきてしまった。
うなじから一旦口を離して、舌先を使ってゆっくり舐め上げる。
「や、だ……汚い……っ」
レイは首を振りながら俺の腕に爪を立てるが、これより汚くていやらしいことをしたくせに今更なにを言っているんだろうと俺は思う。
それにこれが本当の「やだ」ではないことを俺は知っている。
本当はこのうなじに噛み付いてやりたい。
血が出てきたのならば、レイの血を味わってみたい。
……そんなことを言ったら幻滅されてしまうだろう。
俺は人ではない化け物だと、今度こそ幻滅されてしまうに決まっている。
他の人間共にどれだけの罵声を浴びせられても、そんなの慣れているから気にならねえ。だが、レイに嫌われてしまったら、俺は、もう、
まるで背中に氷でも入れられたように背筋がヒヤッとした。
それとは対照的に俺の掌に熱いのが吐き出された。
見れば、レイがぐったりとした様子で俺に寄りかかりながら肩を上下に動かして呼吸をしている。そうか、イったのか……少し遅れて状況を理解した。
考え事をしていたせいで、俺としたことがレイのイき顔を見ることが出来なくて悔しかったが、それを表情に出さないよう、作り笑いを浮かべながらレイの頰に鼻先を擦り寄せた。
「気持ち良かったか?レイ」
レイは相変わらずぼーっとしているようだったが、俺の問いかけに小さく頷くと、フラフラとしながら立ち上がった。
「ん……じゃあ、今度はキオンの……」
「あ?俺?」
転んでしまったら大変だと咄嗟にレイの腰を支えながら、目を瞬かせる。
「キオンの、ぐりぐりする」
もしかしてさっき俺がレイにやったやつを、俺にしてくれるつーのか?
なんて魅力的なお誘いなんだ……と、少し前の俺なら感激して泣いてしまうかもしれないが。
「…………い、いいって、レイ。それより出したら腹減らないか?まだピザ残ってるぞ」
「……たべる」
テーブルを指差しながら言うとレイは俺の顔とテーブルの上を見比べ、すとんっと俺の膝の上に再び座って少し冷めたピザを食べ始めた。
色気より食い気……だが、少しホッとした。
さっきまでは俺だって勃ってたんだ。だが、嫌なことを考えたせいで身体の熱が冷めてしまった。せっかくレイが触ってくれるっていうのにチャンスを逃してしまったのは勿体無いが、気が萎えてしまっては仕方ない。
まったく……こんなの俺らしくない。
精液でべったりとした俺の手とレイの下半身をどうにかしたかったが、レイがピザを食べ終わるのを待ってからにすることにした。
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