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想いの通じ合った旭と椎名は電車に乗ったが、向かう先は家ではなかった。動物園のある駅よりも賑やかな街へ出て、着いたのはホテル街。その辺の空いているホテルの部屋を取ると、二人は手を繋いで部屋へと急いだ。
そして、部屋に入ると、旭は椎名から熱烈なキスを受ける。扉に押さえつけられる形となり、ガタンと扉が揺れた。
ようやく叶った椎名との触れ合いと、いつもの椎名の雰囲気とは違う強引かつ乱暴な口づけに旭の身体は徐々に燃え上がった。
「んっ、ん……ぁ、んんっ……」
舌を絡めて、わざとらしく淫らにくちゅくちゅと水音を鳴らす。頑張って背伸びをして椎名に応えようとした旭だが、椎名のほうが断然大人で、キスだけで瞳は蕩け、腰はすぐさま砕けてしまいそうだ。
恋人繋ぎで絡む指。扉に縫いつけられて、旭は嬉しいあまりぎゅっと強めに握り返す。好き。凄く好き。気持ちが抑えられない。
「は、あ……椎名さん、だめ。好きすぎて、どうしよう……」
二人の間に荒い息が重なり、銀糸が伝う。
「また煽るようなことを言う……ほんと、可愛い……」
「ん……っ、」
何度も、何度も唇が重なる。今まで足りなかった分、たくさん。気持ち良くてお互いに求めてしまい、いつの間にか旭の口端から二人の混ざった唾液が零れていた。
唇が溶けそうになるまで繰り返す濃厚なキスに酔いしれていると、旭の身体を抱いていた椎名の手が服をたくし上げてくる。そこでハッとした旭は、服の中に侵入して肌をまさぐる手を掴んだ。
「待って、待ってください……シャワー浴びたいです」
「駄目、待てない。我慢しないって言ったよね」
見上げて旭の瞳に映ったのは獣と化した目で。
そのあとに股下に椎名の膝を入れられて、グリグリと股間を刺激される。すでにいやらしい口づけで勃ち始めていた旭のモノは、さらに反応をして下着の中が濡れたような感覚がした。
「あっ……! やあ、ぁっ……」
「ここはもうキスだけで反応してるよ? 下着、濡れちゃってるんじゃない?」
低い声が耳をくすぐる。そして、椎名がそのまま旭の耳を舐めてきて。ダイレクトに水音を聞いた旭はエッチだと一人パニック状態だ。
「や……椎名さん、いじわるしないで……」
「旭くんがそういう反応するから、ちょっとSっ気目覚めそうで怖いな……」
「や、ん……ま、待って、シャワーお願いします。前の……ゴムなしで……っていう約束、ちゃんとした、くて……」
──それはまた今度ね。
最初に抱かれた時に椎名が言った約束。旭はそれを覚えていた。はしたないことはわかっているが、旭はずっとその“また今度”を期待していたのだ。
すると、ピタリと椎名の時が止まって。旭が状況を理解出来ずにパチパチと目を瞬かせれば、浴室に身を投げられて。
椎名が浴室に入ることはなく閉まるドア。驚いて言葉が出ないが、ほんの一瞬だけ椎名の顔が真っ赤に染まっているのが見えて、旭も誰にも見られていないくせに手のひらで顔を覆った。なにこれ、恥ずかしい。
それから、ちょっとした間のあとに、なにかがぶつかったように扉がガタンと揺れる。旭は外の椎名になにかあったのではないかと心配になった。
「し、椎名さん!?」
「あー、うん。大丈夫……それより、ちゃんとやり方わかってる?」
「はい。調べてあります……」
再び間が空く。本当に大丈夫かな、と旭が扉に触れると、向こう側から声が返ってきた。
「……少ししか待てないからね」
と声がなんとも尻すぼみな返事だ。旭の中により一層、羞恥心が沸き起こったのは間違いない。
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