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【番外編】金と黒 15
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十分にローションを垂らしたあと、ローションボトルをテーブルに置いていると、凛が恐る恐る口を開く。
「明さん」
「なに?」
「良ければ、明さんの舐めながらして欲しいです……」
尻すぼみな声に明が凛のほうを向けば、恥ずかしそうに目を泳がせてから見つめてきて。
もし健人にそれを言っていたとしたら大喜びだろう。簡単に想像ができることだ。明は眉を寄せた。
「それ、健人にもしてあげてるの?」
「えっと……たまに、ですかね」
「そう。じゃあ、舐めてもらおうかな……」
ベルトを外し、前をくつろげる。しかし、明は思わず手を止めた。視線の先にあるモノは反応をしていない。そこで、自分は凛にまったく興奮していないということに気づいた。その瞬間、一気に気持ちが冷めてしまって。
そうだ、凛には興味がない。興味があるのは、凛に接する健人のことだけだ。
そんな明を知らずに、凛はくすくすと笑い始めて。再び凛に目線を向けたが、それは冷たいものだった。その冷たい瞳で明も微笑み返す。
「どうして笑うの?」
「あ、すみません。どうして健人さんのことばかり聞くのかなって。一緒のことをしなくても、明さんなりにしてくれたら嬉しいです」
「……一緒のことをしたいわけじゃない。俺が知りたいんだよ、あいつが凛とどうやってるか」
自分でもよくわからないが、凛から苛立つものを感じて、ポロリと本音が漏れた。
「そ、そうでしたか……! わかることなら答えますので、なんでも聞いてくださいね!」
明の低い声に、狼狽えつつも笑顔で答える凛。
しかし、それは逆効果だった。明は凛の“健人のことならなんでも知っている”という口振りに腹が立った。凛に悪気がないということは、わかっている。だが、凛の言葉の中で一番腹が立った言葉だった。
こっちは健人と何年やってきたと思っている? たった数ヶ月、もうそろそろ半年というところだろうか。健人のお気に入りになっているという分際で、なにを言うか。
また冷静ではなくなる。自分が自分でなくなってしまう。けれど、黒い感情は湧き出てくるばかりで、どんどん塗り潰されていく。
「おいで。ごめん、仕事の疲れでまだ勃ってないけど、舐めてくれたらすぐに反応すると思うからさ」
「はい。精一杯、頑張らせてもらいますね!」
触られたら反応する。あとは穴に入れて腰を振るだけ。出せばそれで終わりだ。
健人よりも最低なことをしていることに、我を見失っていた明は気づいていなかった。そこからの凛とのセックスは、高みの見物のようなものだった。
じゅぷじゅぷと卑猥な音を立てながら、凛は明のペニスを丁寧に舐めてくれた。凛の口内はキスで感じた時よりも熱く、フェラにも慣れているのか巧みな舌使いで気持ち良かった。下半身もその快感に素直に反応を示す。
明は吐息を漏らしながら、蕾の中へ指を徐々に増やしていった。緩やかだったピストンも解れて柔らかい肉となれば、責め立てるような動きになって。コリコリと前立腺を刺激してやると、凛の身体は面白いくらいに跳ねた。
こういうの、普通だったら見てて楽しいんだろうな。
他のことを色々考えられるくらいに明は余裕だった。そうしている間に凛が明のモノから口を離し、恥ずかしそうに懇願する。
「……ん、ぁ、明さん、入れて……もう入れてください」
いつの間にか、口の中で愛撫されていた明のペニスも勃っていた。
凛はソファーへ寝っ転がると、明が入れやすいようにと脚を折り曲げて、手で太腿を持つ体勢となった。そのせいで、ひくひくしている秘孔が丸見えだ。一応、そこに入れたいと思っただけ、マシだったかもしれない。
明が後孔へ熱をあてがうと、凛はきゅっと孔を収縮させる。そのまま押し込み、蕩ける内壁に包まれた。最近は受け入れる側をやっていたせいか、久しぶりの感覚で新鮮な気持ちだ。
明のペニスが入ってきたことにより、凛の中は歓迎するようにきゅうきゅうと締めつけてきて、早く腰を動かしたい衝動に駆られる。その時、ふと凛の顔を見ると涙が流れていて、明は固まった。
「なんで泣くの」
「明さんと繋がれたことが嬉しくて……」
「そういうもの? ただの乱交パーティーでしょ」
「でも、明さんとするの、憧れだったんです。それが叶って嬉しいんです」
恋人との初夜じゃあるまいし。
この凛の気持ちには、どうしても賛同出来なかった。明の初体験はレイプされたようなものだったし、好きな健人との最初はもう意識がなくなりかけた時だ。気づけば終わっていたのだ。
それでも少しの思いやりで凛の涙を拭いてやると、次には凛は嬉しそうに微笑んでいた。凛の心は綺麗だ。それが魅力的で惹かれるのであろう。
しかし、明には眩しすぎて傷がつくだけだった。その微笑みになにも返せないまま、明は誤魔化すように腰を動かし始めた。
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