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あの約束からもう1週間もたつ。
もちろん連絡先は交換した。しかし、それ以上のことは一切なかった。
呼び出しもいまのところないし。どうなっているのか。
まあ、それはとてもありがたいことなんだけども。
帰ってスマホを開くと、一件の連絡が入っていた。……岡村かよ。
岡村のトップ画面には海の景色がうつっている。
海が少しきらいになりそうになる。
『今週の土曜日、11時に学校近くの駅に来てくださいね』
特に用事もない。
ここで嘘をついてもいいのだが、万が一バレた場合のほうが面倒だ。
『分かった』
それだけ打って、あとは見ないことにした。
いつもスマホを使ってばかりいる自分には辛い。
仕方がないので、普段は母が使っているパソコンを借りて動画を見る。
母のものなので、変なものは見れない。
変なものが何かについては、想像にお任せしよう。
そしてついに土曜日が来た。
10時半には駅につき、一人で過ごす。
憂鬱だ。「友達」という関係だが、オレはやつを友達と思ったことはないし、向こうだって怪しいものだ。
そもそも「観察対象」ってなんだよ。オレはモノか!
スマホを見る。どうせまだ来ないだろう、と思っての行動だ。
座って邪魔にならないようにそっとゲームをしている。
しばらくして急に手が現れた。
声も出ず手の先を見る。岡村がいる。
「びっくりした。なんだよ」
「いえ、こうしないと気が付かないのではないかと」
「声かけてた?」
これで首を横に振るもんだから驚く。
まずは声を掛けるのが普通だろう……。
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