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今日は久々に井上と遊ぶ日だ。
岡村といる日が多いのと、井上も塾とかがあって、中々都合のいい日がなかった。
「今日は翔君もいる?」
「今日はいたはず」
翔とは、オレの弟である。
一つ下なので岡村と同じ高校1年生。高等専門学校に通っている。
バイトもOKらしく飲食店で働いているらしい。場所は聞いたが教えてくれなかった。
井上とは中学のころから翔と3人でゲームをすることもよくあった。
最近は翔が忙しくなりそれも減っていったが……。
「ただいまー」
「お邪魔します」
家に帰るといい匂いがする。
母さんが食事を作っている最中のようだ。
「あら、裕理君久しぶりねぇ。お茶用意するから、待っていてね」
「ありがとうございます」
井上の前だと母さんは優しく見える。いつも鬼のような顔をしているくせに。
そんな考えが読まれたのか、母さんに人睨みされた。関わらないでおこう。
オレの部屋は2階に上がってすぐ左の扉の向こうにある。
井上はオレの部屋に入りオレは翔の部屋の扉をノックする。
少し鈍い音が響き、すぐに反応があった。
「兄貴じゃん」
翔の部屋は大量のDVDを収納するための棚がずらりと置かれている。
漫画もあるが、DVDの数には劣る。
翔はアルバイト代のほとんどをDVDに費やしていると言っていた。
岡村の部屋も確かDVDいっぱいあったな。……なんであいつのこと考えてるんだろ。
「ゲーム誘いに来た。井上もいるけどやる?」
「やるやる!」
身長は180を超え、声も低くなったが、反応は小学生のころとまったく変わらない。
ものすごくニコニコしてオレの部屋に入る。
「翔君久々だね」
「井上さんも!」
この2人、気が合うのかとても仲がいい。オレよりいいんじゃないかとこの2人に少しジェラシー。
だから井上が来るたび翔を誘っているわけだが。
ゲームはテレビゲームでみんなでできるようなものを買っている。
パーティゲームとかその辺。
オレが結構やりこんでいるゲームでは井上や翔には勝ってしまう。
なので普段オレもしないゲームをするように言われている。
それでもゲーマー……というほどやってはいないが運要素のないゲームだと楽ではある。
井上は飲み込みが早いのでオレといい勝負になるが、翔はあまりうまくないので大抵COMといい勝負になっている。まあ楽しんでいるので問題はないか。
夢中になっているとスマホが振動する。バイブ機能、つけっぱだったのか。
学校で鳴らなくてよかった、気をつけないと。
相手は岡村だった。
『明日よろしくお願いします』
いつも用件のみの短い文章で来る。オレは了解とだけうつ。
これの繰り返しで少し寂しい気がする。
「兄貴?顔真っ赤だけどどうかした?」
「な、なんでもねーよ!」
顔真っ赤ってなんだよ。風邪の引き初めだよな。早く寝よう。
そんなことを頭の中で何度も繰り返していた。
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