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5‐1
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あの日、縛られた日。
寝てから目が覚めると夜の9時だった。
遅くなることを言っていなかったので、母さんからは怒られ、翔は泣きそうな顔でよかった、と繰り返し言っていた。
母さんから耳にたこができるほど遅くなる時は連絡を入れろと言われ、翔は180ある図体で変なことに巻き込まれたんじゃないか心配したと鼻水ぐちょぐちょな状態で言われた。
母さんの言っていることはその通りなのだが、翔は少し心配性すぎるのではないだろうか……。
夜、どうしても眠れなくて考えていたのは、母さんから言われたことでも、翔の言われたことでもなく、縛られたときのことだった。
今までにないくらいの興奮。
岡村が言った『縛られて興奮する』という言葉。
今まで縛られたことなんてなかった。
セックスの相手は大抵非処女ではあるが、アブノーマルな趣味な人はいなかったか、いても断っていた。断って辞める子もいれば別にいいという子もいたし。
今まで気持ちよくて抵抗することが減っても、外では考えることなかったのに。
今になって岡村とのやりとりやされたことを思い出して、興奮するなんて。
絶対おかしいと思いつつ考えることをやめられなかった。
それから2日後。
再び呼び出された。
いつもは5時頃に来るように言われ、1時間くらい時間を拘束される。
そして帰るのが7時前というのがお決まりになっていたが、今日は遅くなるからそう連絡をしてくれと言われた。
目が覚めたあと、岡村に遅くなったことに関して文句を言うと、意外にも素直に謝ってきたのだ。
珍しいこともあるものだ。
いつもはオレが何を言ってもそうですか、としか言わないのに。
家にたどり着き玄関を開けると、おかしな匂いがした。
……焦げ臭い?
オレは慌てて岡村の部屋の扉を開けるがいない。
え、どこ?
オレは岡村の部屋とトイレ以外、言ったことがなかったので、少々手間取りつつ、ようやく岡村を見つける。
岡村はキッチンにいて、そこで料理を作ったのは良いが、焦がしてしまっていたらしい。
オレは火事じゃなくてよかった、と安堵した。
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