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時間通りにレンタル屋に着いた。
翔はかなりそわそわしている。顔も若干にやけている気がする。
会う相手の顔を知っているのかと聞くと、知らないようだ。
その代わりに青い目立つキーホルダーをカバンにつけようという話になったらしい。
小さいころ水族館で買ったイルカのキーホルダーをつけている。
同じような人がいるかあたりを見渡してみたがまだ来ていないようだ。
「まだ来ていないみたいだね」
「だな。そういえば今日来る人ってどんなやつなの?」
「僕と同い年みたいだよ。HNはなめくじさんっていってね。あ、僕はたくあんって名前なんだけど」
なんでなめくじにたくあんなんだよ、と突っ込んでみたら、それぞれなめくじ、たくあんが襲ってくる映画を見たのがきっかけで映画を見るようになったかららしい。
だから気があうし会いたかったんだと。
そんなのが追いかけてくると思うと微妙に怖い。
5分くらいたったころ、青いキーホルダーをつけた男が近づくのが見えた。
オレはその顔を見て思わず眉間にしわを寄せた。
そういえば、言っていたな。映画見るの好きだとか何とか。
「あれ、新名先輩?」
オレを見たあと翔のキーホルダーを見て、察したらしい。
翔は翔で相手がなめくじさんとは気が付いているようだ。ただ兄の知り合いだとは思ってなかったらしくオレをガン見していた。
オレは昨日のことがあって気まずいし翔にはこの関係を知られたくないしでさっさと退散することに決めた。
「岡村なら大丈夫だ、じゃあ」
何が大丈夫なのか後から自問自答しても分からない。
ただ逃げたかっただけだ。
「まって兄貴!」
「なんだよ」
「緊張するからせめて昼だけでも!お願い」
さすがに無理だ。
割と弟を甘やかしている自覚はあるがそれ以上に岡村といたくない。
一緒にいたら思いたくもないことを思ってしまいそうで嫌だ。
「新名先輩」
名前を呼ばれただけでビクっと肩を震わせる。
なんか顔があつい……?
「迷惑かもしれないですがいてもらえませんか。たくあんさんのことも知りたいですし」
「別にいなくてもどうとでもなるだろ」
「1時間だけでもいいんで」
なんでそこまでして二人ともオレを引き留めるのか。
翔までお願いとしつこいし。
「1時間だけなら。ただし翔。お前奢れよ」
「そのつもりだからだいじょーぶ!」
本当……オレって甘いなあ。
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