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北山美鶴。
中学2年のとき、家庭科で同じ班になった。
それから話すようになった。
快活で、さっぱりしていて中学のとき荒れかけていたオレにとっては話しやすい、まさに友達と呼べる人物だった。
「北山、集合場所ここじゃないだろ」
「たまたま行こうとしたら新名に会ったの」
確かに方向としては合っている。
……。
それにしても気まずい。高校生になってから会ってはいたが井上も大抵いたし。
「んじゃ、どこ行く?」
「まずはカラオケ。そこでちょっと話があんのよ」
カラオケ?
北山は音痴である。中学のときに一緒にカラオケにいったがそれはひどかった。
本人も自覚があるので人前で歌いたくはないって言ってたのに。……ただ歌うのは嫌いじゃないのか一人ではよくいくと言っていたが。
さっくりと1時間だけ時間を取ってカラオケルームにはいる。
そこで彼女は浅く腰掛け、俯いてしまった。
中学時代いつも明るくて俯くことなんて少なかった。
俯いていたのは卒業式のときくらいだ。
ということは、よほどのことがあるんだろう。
「実はね」
オレは北山の言葉を待っていた。ようやく言葉を発した彼女は予想外のことを言ってきた。
「ストーカーみたいなことされてんだよね」
「は?」
話を聞いてみると、どうやら高校生になってクラスメイトに告白されたらしい。
結婚を前提に付き合ってくれと。重すぎる気がする。まだ高校生なのに。
北山はそれを断った。……断ったのは良いが、それ以来ついてくるらしい。
登校下校にはついていかないので、そこだけ安心しているそうだが、学校内では噂されるところまでひどい状況らしい。
そこで北山は文句を言ったそうだ。
やめてくれと。
するとその男は付き合ってる人がいないならいいじゃないか、見たところそんな人はいないだろうと言ってのけたのだ。
「で。勢いで他校に彼氏がいるって言ったわけか」
「うん。ってことで今日それとなく見せつけるから!」
「分かったよ」
これって一回で終わるものなのか?
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