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岡村に呼ばれたオレは緊張しながら入っていった。
すると珍しく岡村が玄関にいた。
目を見開いて口はあいたままになってしまった。
岡村をよく見るとどこか暗い。
翔といたときは楽しそうに見えたのに。
別れが惜しくなったとか?だからオレを代わりに呼んだ?
でも代わりにはならないし……。
「新名先輩」
グルグルと頭を回転させていたらそれを邪魔された。
「なんだよ」
「あの人、誰ですか。俺と翔君と別れたあとに会ってた女の人」
「なんで知ってんの?」
帰る途中で見かけたようだ。
だからって、岡村にそれを聞かれる理由が分からん。
「どうでもいいじゃん」
「それはそうですね。ただ思うところがありまして」
「なんだよ」
岡村はしばらく考え込んでいた。
目を細めどこを見るわけでもなくただ頭を使っているようだ。
オレはその言葉を待つ。
岡村は急にポケットからスマホを取り出した。
ササっと操作をし、見せてきたのはオレの写真。
脅し用の、卑猥な写真。
「な!見せんな!!」
岡村は黙ってそれを消した。
「え……」
オレの言葉を無視して岡村はオレの写真、動画を消していく。
オレは頭が真っ白になった。
「これで全部消しました」
「なんのつもりで……」
「今日で最後にしようかと思いまして。そろそろ1ヶ月くらいたちますし」
つまりこの関係が終わるってことは……。
もう会う必要もないし、変なことをされるわけでもない。
つまりオレは用済みということを宣言された。
「飽きたってか?」
「違いますよただ」
「もういい」
オレは泣きそうな顔を見られたくなくて玄関から出ていった。
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