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「はぁ……」
最後に岡村に会ってから一週間たちそうになる。
学校は同じだけど学年が違えば会う機会も減る。
岡村のクラスは知ってはいる。岡村から聞いたわけじゃなくて噂で言っていたやつがいたってだけなんだけど。
だけど教室に行く勇気もなかった。
実は一回だけ目があった事があった。
だけど速攻で目をそらされた。
そのときは井上もいたから井上にどうかした?と聞かれてしまった。
何でもない、とは言ったけど井上を誤魔化せたのか……と言われると微妙なところだ。
井上って妙に鋭いところあるんだよな。
オレは北山の言っていたことを思い出す。
――――――後悔するよ。
実際後悔している。
このモヤモヤをどうにかしたい。でもそうすればいいんだ……。
「兄貴ー?入るよ」
オレがいいという前に入る。
まあいつものことだ。
……待てよ。
「翔……明日って暇か?」
「え?急にどうしたの?朝はバイトだけど昼は空いてるよ」
そうだよ。
翔と岡村はSNSでつながってる仲だ。
チョット利用させてもらおう。
オレは事情を話す。もちろん岡村との関係は言えないので適当に誤魔化す。
「……ってことなんだ。ちょっと手を貸してくれ」
「いいけどさ……岡村さん僕のこと好きじゃなさそうなんだよね。ずっと無表情だったし……。また会ってくれるかなあ?」
「……?何言ってんだよ。楽しそうだっただろ」
そこまで言って、ハッとした。
確かに楽しそうだったり、悲しそうだったりしていたけれど、顔は無表情のままだった。
初めて会ったときからそこは変わっていなかった。
なのに岡村の感情が読めるようになっていたオレに驚いた。
「ホント?」
「本当本当。だから手を打てよ」
「分かった。その代わり一個、言うこと聞いてくれる?」
何だよ、と聞いてもちゃんと成功したら改めて言う、と言われてしまった。
まあとんでもないお願いじゃないだろうからあまり気にしないでおこう。
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