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「じゃあオレのこと始めから知ってたのか!」
「はい。そりゃあ。変な人に絡まれたのを助けてもらったので。髪を切って人と話すようにしたのも先輩に近づきたくてやってたんです。要は憧れですね」
明らかに髪が長くて変な奴。
なんかあったのは覚えているが具体的に何があったかまではあまり覚えてない。
それを察知したのか岡村は言葉をつづける。
「カツアゲにあったときに颯爽と助けてくれたんです」
「ああ……」
確かに助けた覚えがある。
そこで初めて一緒に食事をしたときの違和感の理由がようやく分かった。
あの日はオレの誕生日だった。確か助けたあと井上が誕生日プレゼントを渡してた。
だから知っていたのか、と一人で納得する。それと同時にそこまで覚えているのは怖いとも思ったが。
「だから浮気するような人だと知ったときはショックでしたね」
反論できない。
「でも相手をしてもらうチャンスだとは思いました。先輩多分罪悪感があって逆らえないだろうなとも思ってましたし」
「じゃあ最初から好きだったのか!?」
「多分そうです。気が付いたのは先輩をこの部屋で縛ってアナルだけで射精したときですけど」
それで気が付くって言うのはかなり複雑である。
「だから急に料理とか作ったのか」
「そうですね。好きな人をおとすには肉じゃがだと思ったんですけど、よく考えたら料理をしたことがありませんでした」
肉じゃがって確かに家庭料理だけど、それを食ったら恋に落ちるのか。
相変わらず岡村の考えていることはよく分からない。
けれど岡村なりに考えてやったことだと考えるとちょっとだけグッときた。
それと同時にあのとき占いとか言われてイライラしたオレも思い出したけど。
「新名先輩のこと、思ってた人とは違うなとか色々思いました。けど、どうしても好きだって思いが離れなかったんですよね。好きだって気が付いて酷いことをしたって自覚して、だから好きになってくれていることにも気が付かなかったです」
「オレだって好きになるとか思わなかったっての」
オレは岡村に抱き着く。
ドキドキと心臓が高鳴ると同時にどこか安心感もあった。
「好きだぜ」
「はい」
岡村は耳を真っ赤にしながら小さくオレの言葉に答えてくれた。
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