アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
番外編1‐4
-
好きだと自覚してから、俺はどうしようかと悩んではいた。
悩んではいたが今の状況を抜け出したくない、だけど……とグダグダと言い訳をしていた。
たださすがに今までのようなことはできないとは思っていた。
そこで考え付いたのはご飯を作り一緒に食べるというものだった。
よく考えなくてもアホとしか言いようがないのだがどうにかしてつながりを保ちたい俺は必死だった。
結局それは失敗したんだけど。
それでもお人よしとしか言いようがない先輩はカレーを作ってくれた。
とても嬉しかった。今すぐ泣いてしまいそうなくらいに。だけどそれを言う資格なんてないよなあ。
だからなんでこんなことしたの?と聞かれたときに意味分からないことをわめいてしまった。
占いって何だろう、何を言っているのだろうと頭の中で考えていてもそれが一切伝わることはなくて。先輩は怒って帰ってしまった。
また、失敗したな。
先輩の残したカレーに手を付ける。残すのももったいないし。
だけど一人で食べるカレーの味は味気なかった。
俺はそれからも言い訳を繰り返していた。
頭の中でいけない、だけど、でも、と何度も何度も考えていた。
だけど、それじゃあいけないと彼女らしき人といるのを見て決心した。
全く考えていなかった。
新名先輩の気持ちとか考えていること。
いつも自分のことばかりだった。
だから好きだって言われたとき相当驚いた。
絶対嫌いだと思っていた。普通そうだろう?
まさか翔君を利用して近づいてくるとも思ってなかったけど。
恋人。嬉しい。
好きだって言って先輩を見るだけでこんなにいとおしいと感じるなんて。
幸せにする、とか言えないけど。
きっと失敗もいっぱい繰り返すかもしれないけど。
先輩が俺を嫌いになっても。
さようなら、と別れてしまうかもしれないけど。
絶対今の気持ち忘れたりしないと思う。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
42 / 58