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10‐1
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岡村の家から自分の家に帰り部屋に行こうとすると翔が待ち伏せしていた。
「仲直りした?」
そういえば連絡一つしていなかった。
翔には協力してもらったわけだしいうべきだった。
「した。ありがとな」
「うん!あ、それで頼みたいこと言ってもいい?母さんもいないうちにサッサと言ってしまいたいんだけど……」
なぜか顔を赤くしながらオレの部屋に入るように促す。
いうのが恥ずかしいことなのか、とは思いつつさっと部屋に入る。
言いたいことは部屋で聞けばいい。
翔は座布団に正座で座った。
普段は胡坐をかいているのに。しかもオレが頼まれる側なのに。
汗をびっしりと書いて拳を膝のあたりで握り締めている。
オレはつばをのむ。
「僕、僕はえっと、その」
「とりあえず落ち着けお茶でも用意しようか?」
「いや、だいじょうぶ!」
何度も深呼吸をしている。
何をそんなに緊張しているんだろう……?
「僕ね。ホモなんだ……。えっと男が好きなんだ。でも女になりたいってわけじゃないんだよね。でも男が好きなんだよ……でも言いたいことはそうじゃなくて!えっとね!!」
「う、うん」
驚いたしお茶でも飲んでたら噴き出していた。
そりゃ母さんがいないうちに話したいことだよな。母さんに伝わるのはまだいいけどそこから父さんに伝わったら学費出さない、勘当だ、とか言いかねない。」
「僕は井上さんのことが好きなんだよね」
「マジか!?」
「マジ!!マジなんだよ!!」
確かに仲いいなとは思っていたが恋愛感情があったとは。
全く気が付かなかった。
「でも井上さんはきっと僕のこと同じようには思ってないと思うんだ。でも一回くらい二人で出かけたいと思って」
「別にでかけりゃいいじゃん」
「でも!変に思わない?あくまで兄貴の友人なわけで……」
全く思わない。
むしろ井上も翔のこと友達だと思ってくれていると思うし。
「変じゃないだろ。まあ翔が二人で出かけてみたいって言ってたことは伝えとくけどさ」
「うん。僕井上さんの連絡先聞けてないんだよね。勇気出なくって」
連絡先も教えておいてやるか。
一応井上に許可を取って、と。
速攻で返事が来た。暇だったのか?日曜日だし部活に入ってるわけじゃないから暇でもおかしくはないが。
「いいって。じゃあオレが教える」
「ありがと!」
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