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放課後、岡村と待ち合わせをした。
今回は井上もいるとはいえ堂々と岡村と学校から一緒に歩くことはなかったので緊張する。
周りの人もオレらをみている気がする。
井上は岡村に色々話しかけている。
「岡村君ってどこ中なの?」
「あそこです」
指をさしていたのはこの辺だと一番近い中学校だった。
岡村と初めて会ったのは中学時代だったが制服までは覚えていなかった。
「あーあそこかあ。あそこから来てる人多いよね。やっぱり近いからここに来たの?」
「それもありますけど……」
岡村はここでオレをちらりと見る。
それを察したオレは顔を隠す。顔が真っ赤になったのを感じる。
幸い井上はオレのことは見ていないようだった。
「ここの高校の人に助けてもらったことがあるんですよ」
「そうなんだね。素敵だなあ」
オレの名前は言わないのか、とちょっとだけもやっとした。これは自分勝手な感情だとは分かっていてもだ。
井上もそれ以上聞く気はないのかその話はここで終了した。
「……井上先輩は俺がいてもいいんですか?」
「え?」
「いや、俺邪魔じゃないですか?新名先輩が誘ってくださったとはいえ」
「むしろ俺が岡村くんと話したいと思ったんだよ。それで新名がそれにのって誘ったんだ」
岡村は不思議そうだった。
なぜ俺と?と思っているのは間違いないだろう。
「変な人ですね」
「そんなことないよ。俺はただ、新名の友達になったって知ったからどんな子なのか知りたかっただけで。そりゃ興味自体は前からあったけど。……あ、着いたね」
見慣れたオレの家だ。
オレと井上はいつものように入るが、岡村は玄関の前で立ち止まっている。
「入ってもいいのでしょうか」
「なんでだよ。入れよ」
ゆっくりと岡村が入っていく。
さすがに緊張しすぎなのでは?
「あら、井上君いらっしゃい。……あら。そちらの方は初めてね」
「あ、お邪魔します」
「ふふ。瞬も友達連れてくようになったわねー昔じゃ考えられないわ」
母さんがニコニコしながら岡村に話しかけている。
てか昔のことは良いだろほおっておいてくれ!
「井上と岡村は先に行ってろ。オレはお茶とかお菓子とか用意するから!」
「うん。翔君いたら誘ってみるね」
岡村は黙って井上についていった。
オレはお茶とお菓子をさっさと選んでおいた。
「それにしても彼芸能人みたいな子ね~」
「なんで芸能人?」
「だって今時のイケメン俳優みたいな顔してるじゃない」
そうか?
「アンタって昔からそういうの疎いわよね。まあ見た目を気にしないのは悪いことじゃないけどアンタの場合気にしなさすぎ」
「うっさい。いいだろうが」
「はいはい。まああまり遅くならないようにね。あと弁当今のうちに出して」
素直に弁当は出しつつ目的を済ませ上に上がる。
なんで母親というのはこんなに口うるさいのか。……オレが反抗期だからそう思うだけなのか。
階段を上がり二人と合流する。
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