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僕ら人間には
性別という人類分類がある。
【第1の性 男女性別】
人間に元々、男と女
2つの性に分類され
生殖活動の役割が別れていた。
しかしその後、男女の
人数比率の均衡が崩れ、
深刻な少子化減少が起き、
人類は進化した。
こうして僕ら人間は
男女性別分類の他に新たに
別の性別に分類されることになる。
【第2の性 オメガバース】
α、β、Ωの3つに
人間を分類する性別分類。
元の人間と形状は変わらず、
生殖活動の役割が
男女関係なく変化した。
αは言わば孕ませる性。
特徴としては
リーダー気質の人間が多く
この世に生まれた時点から
人生の勝組になることが
決まっている人種と認知されている。
βは良くも悪くも普通。
従来の男女の生殖役割のままの性。
この世で1番人数が多く、
αやΩに対する良心的な
認知は低い傾向にある。
Ωは言わば孕まされる性。
特徴としては
3ヶ月に一度の発情期を持つ
人類で1番進化を遂げた性と言える。
αを魅了するフェロモンを放出し、
性犯罪に巻き込まれる事も多く
そのショックで自殺する人間が多い。
ただ、そんなαとΩには
特別な関係性がある。
発情期中のΩの
項を噛むと番と言う関係になる。
一番の難点は
番はαからしか
解除できないと言う事。
番を解除されたΩは
常に発情し続ける。
誰にも察知されない
フェロモンを振りまきながら
一生生きていくしかない。
だからΩは自らの性を憎む。
他人から怯えて、逃げて、
Ωはαに縋り付く。
Ωとはそういう性。
そして、僕はΩだ。
男のΩ。
男になりきれず
女にもなれなかった劣等種。
僕ら男のΩなんてものは
性処理の道具でしかない。
嫌だと泣き叫んでも
痛いと暴れても
抑えつけられたら抵抗なんて
出来ずにただ犯される。
言わば玩具。
常にΩから発せられている
フェロモンにαは酔って
子種を無駄にさせる。
いくら人間が進化したとしても
人間本来の生殖役割は変わらない。
男のΩの妊娠、出産率は
βの女性に比べると格段に低い。
だからαは男のΩを
性処理の道具にしか使わない。
発情期以外は
ほぼ妊娠することがない
特性を持つ男のΩは
体力も力もない。
βの女性と同じか
それ以下の抵抗しかできない。
都合のいい相手。
確かにこの世には
恋愛結婚をして番になって
美しい物語を紡ぐ人々もいる。
自分の大好きな人の子供を
同性でも産むことができる
このΩという性に
誇りを持つΩもいる。
一生幸せに
生きていけるΩもいる。
だが、
そんなのはほんの一部分。
僕には
そんな奇跡みたいなこと
絶対に起こらない。
絶対に。
それは僕が
必要とされていないから。
誰にも。
そんな希望を
持つ事すら許されない。
ただ唯一
必要とされるのは
性処理としてだけ。
でもそれすらも
出来なくなった僕は
生きている価値がない。
だから僕は、
「僕」としての人生を辞めた。
これはそんな性別に
翻弄された人間たちのお話。
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