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知らない
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俺は男のことを何も知らない。
視力さえ戻れば、もしかしたら分かるかもしれないけど、現状それは不可能だ。
男に毎夜、体を求められ…分かったことといえば、がっしりとした体躯であることや、時折聞こえてくる、吐息に混じった声。俺に優しく触れる手。
でもそれだけじゃ、相手を判別することなんてできない。
相手のことを知らないまま、日数だけが過ぎていく。そういえば、バイトはどうなったんだろう。
無断欠勤扱いで、クビになっているかもしれない。
「…」
ごろ、と寝返りを打つ。
毎朝、シャツは新品のものになっている。ただ、下に履くものは下着すらない。いわゆる彼シャツ状態だ。嬉しくも何ともない。
いつも中に出されてしまうけど、翌朝に体調を崩すことはなく…たぶん、いつも気を失っている間に中を綺麗にされてるんだと思う。
男は俺のことを何だってしたがる。
料理も男が食べさせるし、お風呂も、例えばトイレだって…
「…う」
しまった。意識したら行きたくなってきた。
ベッドの上で丸くなり、我慢する。トイレの場所が分からないから、男に連れていってもらうしかない。でも、出来るのなら…本当は行きたくない。
「…っ、…は…」
行きたくない理由はひとつだ。
男は、俺をトイレにつれていくと、出すまでそばにいる。もっと言えば、出すことさえ男の手を借りないとできない。
座らせればいいものを、男はそれをしない。
そんな恥ずかしい目にあうくらいなら、我慢して回数を減らした方がいい。
無駄な抵抗だと思いつつも、男に屈したり、懇願する方が嫌だった。
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