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疑問
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奏太が言った言葉に、俺は何て答えたらいいのか分からなかった。そもそも今会ったばかりの、しかも見えない相手を信用するなんて不可能だ。
逃げるって、どうやって?
「もちろん、今もう逃げたいっていうなら色々手はあるけど」
「…」
そもそも奏太はあの男の知り合いだ。この誘いだって、もしかしたら俺を嵌める罠かもしれない。
俺が黙っていると、奏太は「また診察に来るよ」と告げ、去っていった。
「………」
あの男の名前…蓮矢。
どんな容姿で、何歳で、何をしている人で、どうして俺のことを監禁しているのか。
最初に感じていた疑問がまた沸き上がってきた。
ぽふん、とベッドに沈みこむ。
目を閉じて、過去の記憶を遡る。
高校…は、じいちゃんやばあちゃんにお金を出してもらって、バイトしながら奨学金も借りて、何とか通えていた。交遊関係は広くなかった。
中学は、…あんまり人と関わってこなかった。1年の途中で転校したし、これといった思い出がない。
小学校…、…は、あまり覚えていないな。
もし出会っているならバイト関係だろうか。
それなら不特定多数と会ってる。
「…蓮矢」
いくら考えても答えは出ない。
早く見えるようになるといい。
そうすれば、きっと何かが変わる。
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