アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
鍵をかけた記憶の答え
-
「う…」
「大丈夫か?稔…ごめんな、飲ませすぎた」
「大丈夫、だ…俺こそ、 ごめん…」
ぐるぐると意識が回る。
城戸に肩を貸してもらいながら、ゆっくり、よたよたと歩く。
「…心配すんな。俺に全部委ねちまえ」
遠くで、楽しげな城戸の声が聞こえた気がした。
*
「…、?」
目を覚ましたとき、俺は見知らぬ部屋にいた。
自分の部屋じゃない。
「おー、起きたか稔」
「……城戸」
そうだ、酔っぱらって、動けなくて…城戸と一緒に車に乗ったことを覚えてる。
じゃあここは、城戸の家?
「具合は?」
「頭ガンガンする…」
「そうか…」
わしゃわしゃと撫でられる。
酔って運ばれて、きっと迷惑をかけただろう。情けない。
起き上がろうとすると、肩を押されて戻された。
「まだ寝てろよ」
「でも…」
上手く回らない頭と、だるい体をもて余しながら城戸を見ていると、その後ろにいくつか人影が見えた。誰だ…?
「なぁ城戸、まだかよー」
「まぁ、待てよ。やっと稔が起きたからさ」
「…誰…」
「俺のトモダチ」
にこりと城戸が笑う。
でもその笑みに、なぜがぞわりと嫌なものを感じた。
「稔はさ、ほんと昔から変わってないよな」
「城戸…?」
頬を撫でられる。
身をよじると、ぐい、と頭の上で手首をひとまとめにされた。
「危機感がないっていうか…普通、同級生とか言われても、覚えてない奴の目の前でそんなになるまで飲まないっつーの」
「…、…っ」
「俺としては好都合だけどな」
城戸は楽しそうに笑ってる。
俺は、ただ…初めて飲みに誘ってもらえたのが嬉しくて、俺のことを覚えていてくれたのがむず痒くて、それで、
「小学校のときに『あの噂』聞いたときはさぁ、意味わかんなくて、 きもちわりーとしか思わなかったけど」
ギリ、と手首を押さえる手に力がこもる。
「試してみたら案外いけんじゃね?って思ってさ」
「な、なん…の、話…」
「んだよ、覚えてないなんて言わせねぇぞ」
怖い。聞きたくない。嫌だ。
そんな警鐘が頭の中に響く。
「お前、実の父親にオモチャにされてたんだろ?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
26 / 103