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好きだよ
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以前監禁されていた時のように、俺はまるで姫にでもなったかのような扱いを受けた。
俺は抵抗することなく、大人しくされるがままになっていた。
「…蓮矢、は…」
「ん…?」
ふかふかのベッドに寝かされ、優しく頭を撫でられながら…俺は蓮矢をじっと見つめた。
「俺のこと、もう諦めたのかと思った…」
「どうして?」
「だって…あのとき、鍵開いてたの、変だったし…逃げてからも、俺のこと捕まえようとしなかった…」
「…そうだね」
「でも、俺のこと好きって、言う…」
「好きだよ。誰よりも何よりも、稔が好きだ」
優しく目を細めながら微笑まれ、じんわりと視界が歪んだ。ダメだ、こんな風に優しくされたら我慢できない。
「じゃあ、何で…逃がしたり、なんか」
「稔はそれを望んでいたみたいだったから…元々、視力が戻ったら家に帰してあげようと思ってたんだ」
「…」
「本当だよ。俺は…稔との関わりは、一時の夢でよかった」
「…夢…」
「でも、稔が酷い目に遭ってるのを知って、いてもたってもいられなくなって…俺はもう、昔みたいに何もできずに悔しい思いをしたくなかったから」
ちゅ、と額に口付けられる。
昔…そうだ、俺は知ってるはずなんだ。
だって、この手が、この仕草が、こんなにも懐かしい。
蓮矢…蓮…、?
「れん、…」
「ん?」
「れん、くん…」
「!」
蓮矢が動きを止める。
驚きに見開かれた目を見つめながら、あ、と突然記憶が鮮明に思い出される。
『俺は、稔のことが大好きだよ』
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