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波乱の幕開け
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「イベントも色々やってるみたいだ…これとか」
「ショーのチケットは先にとろうか」
「そうだね」
デート当日。快晴。
蓮矢に車で迎えに来てもらって、そわそわした気持ちになりながら水族館に到着した。
入場券を買って、目当てのショーのチケットをとってから館内を巡る。
「水槽の中って生存競争どうなってるんだろう…鮫って一緒にいれていいのか?」
「基本的に餌を充分与えていれば他の魚は食べないって聞いたことがあるな」
「へぇ…そうなのか」
ガラスに手をつきながら、大きな水槽を眺める。
色とりどりの魚が水槽いっぱいに広がり、群れを成しながら目の前を泳いでいく。
蓮矢と言葉を交わしながら館内をゆっくり回る。
人はまばら。家族連れだったり、恋人同士だったり、仲良い友だち同士のグループだったり。
…俺たちは周りからどう見えるんだろう。
友だち?兄弟?それとも恋人…?
じ、と蓮矢を見ると優しく微笑みかけられた。
赤面しながら慌てて水槽に目を戻す。
昨日の夜からそわそわドキドキしてしまってあまり眠れなかった。今日1日一緒にいたら心臓が持たない気がする…
「あ、っと…そこ出たらペンギンがいるって…!」
外に出て、眩しさに一瞬目が眩む。
目の前に開けた広場が広がる。ペンギンだったりアシカだったり、生き生きと動いてる様が分かる。
館内よりも人だかりができているようだ。
ぼんやりと目の前の団体を見ていると、ふと1人と目があった。というか、目があったのは、
「稔?」
「…えっ、秀隆?!」
驚いて固まってしまった。
こんなところで会うとは思わなくて、脳内の処理が追い付かない。
「驚いた。週末の用事って、ここだったんだな」
「う、うん…」
「あれ?じゃあ…」
秀隆が近寄り、ひそ、と声を小さくして話しかけてくる。
「…彼氏も一緒?」
「…っ」
せっかく収まってきた火照りがまた復活する。
秀隆には蓮矢とのことが知られてるけど、蓮矢にはまだ知られてることを伝えていない。
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