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少しずつ、ゆっくりと
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「少しずつ慣れてくれると嬉しい」
「…そうだな…その、ごめん。まだ照れ臭くて」
蓮矢をじっと見つめる。相変わらず心臓がドキドキとうるさいけど、逃げてばかりじゃいられない。
誰かに頼るんじゃなくて、自分から動かないと。
そうしないと、蓮矢にも失礼な気がした。
「じゃあ、まずはこの距離感から慣れる?」
にこ、と微笑まれ柔く頬を撫でられる。
頬とか、目元とか、頭とか、殊更に優しく触れられ…しばらくするとちょっと慣れてきた。
観覧車の外の景色がゆっくりと流れていく。
「…俺も触っていい?」
「もちろん」
そっと蓮矢の頬に触れる。
ゆっくり辿ると、くすぐったそうに微笑まれた。
蓮矢はカッコいい。
その目元も、鼻筋も、頬も、唇も。
俺の指先が唇に当たる。すると、蓮矢が俺の手をとり、ちゅ、と指先に口づけた。
「…っ」
「可愛いな、稔…」
指先と、掌と口づけながら、俺に視線を向ける。
澄んだ瞳の中に炎がたゆたっているように感じ、ぞくりとした感覚が背をかけ上った。
「蓮、矢…」
「好きだよ、稔」
顔が寄せられる。
俺は固まったまま、ぎゅ、と目をつぶった。
…。
…。
「…ぷはっ!な、長い…!」
「息止めると苦しいよ」
息を整えていると、再度口付けられた。
後頭部を支えられ、固定され、角度を変えながら何度も何度も繰り返される。
合間にちら、と目を開けると、どうやら観覧車は頂上に到達したようだ。遠くまで一望できる。
「れん、…っ」
「…ん」
くちゅ、と生々しい音が鼓膜を震わせた。
まさか口内にまで侵入されるとは思ってなくてビックリしてしまった。でも次第にその甘美な口づけに酔ってしまう。
破裂するんじゃないかってくらい心臓が早鐘を打っていたけど、それを押さえ込むかのように強く抱きしめられた。
「ぁ、ぅ…れん、や…」
「…稔…もっと、俺を見て…俺に溺れてほしい…」
熱のこもった瞳に見つめられ、思考がとろける。
もうすでに溺れてるのに、これ以上溺れたら死んでしまうかもしれない…。
そんなことを考えながら、俺たちはまた唇を重ね合わせた。
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