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我慢の限界
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ドキドキして収まらない鼓動は、きっと蓮矢には全て知られてしまっていると思う。
じ、と見つめてくる蓮矢の視線を真正面から受け止め、だんだん照れ臭くなってきた。顔に熱も集まってきて、…たぶん今、真っ赤だと思う。
「…蓮矢…ご、ごめ、俺…今すごい変な顔してるかもしれない、から…見ないで」
「稔はいつだって可愛いよ」
蓮矢がそっと離れ、寂しさを感じる。
ふと外を見ると、地上が近づいてきていた。
「稔は…今日遅くなっても大丈夫?」
「あ、うん…別に、待ってる人もいないし…明日は休みだし」
「わかった。…じゃあ今日は帰さない」
「…っ」
真っ直ぐ見つめられ、その視線の熱さにくらくらしそうになる。帰さないって、つまり、そういうこと、だよな?
これからのことを想像してしまい、さらに恥ずかしくなってしまう。
「期待してくれて嬉しいよ」
「き…っ期待なんて…っ」
「さ、降りようか」
観覧車の扉が開き、蓮矢に手を引かれる。
そういえば、秀隆たちはどうしたんだろう。俺たちが急にいなくなって探してるんじゃないかな。
「そ、その…秀隆とか、滉さんに何か言った方がよくないか?」
「大丈夫だと思うよ。滉には連絡を入れておいたし、河瀬くんはさっきのお店で偶然知り合いに会って…何か大切な話があるみたいだったから」
「知り合い?」
「俺は会ったことない人だったよ」
「そうなんだ」
「だから、ここからは二人きりで」
「わ、わかった」
水族館から出て、車に乗り込む。妙にそわそわした気持ちになって、何も話すことができなかった。
そしてしばらく走ると、高級そうなホテルが見えてきた。車がそのホテルの駐車場へと吸い込まれていく。
「なんか、豪華なホテル…」
「予約してあったんだ。まずは夕食にしようか?」
「…あ、夕食…いや、えっと…その」
「ん?」
正直なところ、夕食どころじゃなかった。
観覧車で蓮矢に何度も何度もキスをされ、抱きしめられ、さらに柔く体の線をなぞられたことで、体が昂ってしまっている。
でもそんなことを伝えて、蓮矢が引いてしまったらどうしよう…と思うと上手く言葉にできない。
車が止まり、エンジンが切られる。
黙ってしまった俺を不思議そうに蓮矢が見つめてくる。困った。
「稔?」
「…っ」
俺は咄嗟に蓮矢を引き寄せ、不器用ながらも口づけた。蓮矢の目が驚きに見開かれる。
「……俺、…もう、我慢できない…」
たぶん、いつも以上に真っ赤になってると思う。
それより、こんな風に誘ってしまって大丈夫だっただろうか。
蓮矢の沈黙が、怖い。
「…」
「…蓮矢?」
「行こう」
「え」
蓮矢は顔色を変えないまま車の外に出て、俺の手を引いて歩き始めた。その少しの強引さに胸がときめくのを感じた。
フロントで手続きを済ます蓮矢の隣で、「俺たちってどういう風に見えてるのかな」とぼんやり考えながら立つ。
鍵を渡されるのを見て、緊張が徐々に高まっていくのがわかった。
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